Mission 005 新鮮な世界? 地上で見た世界。


 ――地より湧きたる時を迎えて、僕らは大地に立った。二人並んで手を取り合う。



 砂の中に銀河を見るなら、僕らの上の名前も星に因んだもので……星奈ほしな。ここからまた二人で歩む。復讐ではなく救護の道を歩めるように、まずは会う。僕らの管理人に。


 時はお昼。僕らがさっきまでいた芸術棟から……


 校舎へ移る。旧校舎の方だ。この建物の中に僕らの教室がある。今はもう少数の生徒しか残ってない。夕方にはまだ遠い時刻だけれど、もう放課後となっていた。


 そこの三階。多数の窓からは午後の陽射しが……


 清々しくも、僕らを照らした。このようにいつの日か、暗躍する戦いが、まだ始まったばかりなのに、終結を願ったの。ここにいる生徒たちのように。そしてあの、明るい生徒会に身を置いている、僕らと同じ双子のボクッ娘がいる。僕らにも似た、あの二人のようになりたいの。星野ほしの梨花りかと星野千佳ちかのように。同じ『星』を司る者だから。


 僕、星奈菜花なのかと、双子の妹の星奈千歳ちとせ……


 同じ席に辿り着きたいと願う。僕らの名を翳して威風堂々と三階の、美術室に身を現した。そこにいるは中村なかむら美路みち。この学園、私立大和やまと中等・高等学園の中等部の生徒指導室に身を置いている先生だ。そして、もう一つの顔こそが、情報屋稼業の元締。


 学園の歴史に於いて、過去の闇に消えた組織だったけれど、現在の世に復活……いや新生したのだ。僕ら二人がそこのエージェントということ。僕らは異国にいた人間で、逃亡を余儀なくされ、今ここに身を置いている。僕らは異国では、特殊で過酷な訓練を受けてきた。自らが選んでとか、そんな選択肢もなく、殺人マシーンとしての訓練を……


 肉体も知らず知らず人間離れした、まるで改造人間みたいに。


 洗脳される前に、逃げ出したのだ、海を渡って……荷物と一緒にコンテナに紛れて身を潜めて。もちろん組織の奴らも追ってきた。僕らを殺すために。そして僕が目を離した隙に千歳が……生き返ったものの、記憶に障害が残った。大きなトラウマも。そのことも踏まえて僕らは二人で一つ。そして美路から指令が下る。ミッションの始まりだ……



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