レベル23

「はーはっはっは。

 こいつは傑作だ。

 モグラみたいにあんな穴の中に隠れていたとはなっ」


こちらも人型ロボット兵器に乗った薇雪が上空から

テロリスト基地の昇降ハッチを発見する。


「軽く挨拶といこうかっ」


薇雪は親衛隊を引き連れて接近すると、ハッチ内部に爆撃を始める。


「司令官、上空から敵の攻撃ですっ」


「反撃はならんっ。

 ここで崩落してハッチが塞がれてしまってはすべてが水の泡だ。

 地上に出るまで我慢するのだっ」


激しい衝撃に襲われながらも搭乗員たちは黙って耐え続ける。

そこへ黒い影が一機飛び出してゆく。


「好き放題暴れてんじゃねえっ」


燐と滝の操るヨロイダンだった。

敵の猛攻をくぐり抜けながら上空へと到達する。


「感じるぜ、薇雪のねーちゃんよお。

 照はきっちり返してもらうぜっ」


ヨロイダンは両手からビームを放ち親衛隊を撃墜してゆく。


「この感触、こないだの小僧たちかっ。

 テロリストも人型ロボット兵器を開発していたとはっ。

 だがちょうどいい。

 ここで決着をつけてやるっ。」


薇雪の操るファイナルローズがビームを撃ちながら

間合いを詰めてゆくと、巨大な蛇竜鞭を放つ。

ヨロイダンはかろうじてよける。


「あぶねーあぶねー。

 ったく、相変わらず趣味の悪りいSM女だぜっ」


「気をつけろよ、燐。

 あんな巨大な鞭で縛られたら身動きが取れなくなるぞ」


「わーてるって。

 当たらなきゃいいんだろ、当たらなきゃなあっ」


ヨロイダンは左右前後に目まぐるしく動き狙いを定めさせない。


「ええい、相変わらず、すばしっこい小僧たちだことっ。」


その間にも親衛隊は撃墜されてゆき、ついに残るは薇雪だけとなった。


「どうした?SMのねーちゃん。

 ひとりぼっちになっちまったみたいだぜ?」


「くっくっく、はーはっはっはっ。」


「なんだ?なに笑ってやがんだ?

 ついに降参する気になったか?」


「これは、薔薇の匂い?

 燐、何か様子が変だぞっ」


「気づいたか?

 私が配合した薔薇のスペシャルエキスを空中にばら撒いていたのだ」


「燐、逃げろっ。

 空気中の水分を通して感電してしまうぞっ」


「遅いっ」


ファイナルローズの蛇竜鞭から電撃が放たれると

空気中に散布されたローズエキスへと勢いよく広がってゆき

まるで薔薇のような雷が発生する。


「うわあああああああっ」


電撃攻撃を受けて燐と滝が悲鳴を上げる。


「坊やたちとの楽しかったショーもこれでフィナーレとゆこうか」


そのとき、真下から巨大なビーム攻撃が。


「なんだ!?」


薇雪は攻撃の手を止めハッチを見るが陰で中までは見えない。


「よし、今だ。

 龍王号発進せよ!!」


豹竜の号令と共にロケットエンジンが点火され、龍王号がぐんぐん上昇してゆく。

そして影から姿を現わしたのは

なんと巨大な空中要塞戦艦だった!!











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