成果報告No.1-4 追跡

「・・・・・・ここが、最後に会った場所だね?」

千聖は日菜と一緒に、紗奈と最後に会ったという場所にやってきた。

「はい。ここで紗奈と別れました。」

「なるほど〜。・・・・・・よし、じゃあ廃工場まで行ってみようか!」

2人は廃工場までの道を歩きながら、紗奈を見た人がいないかを探した。見た人は何人かいたが、これといって新しい情報が手に入らなかった。

「ここが廃工場かぁ。いかにも、何か出そうだね!!」

「そうですね。紗奈も、ここに出る幽霊の噂を確かめに行ったので・・・・・・。」

「そういえば、私は余り知らないんだよなぁ。その幽霊の噂話のこと。」

「私も、紗奈がいなくなってから調べてみました。4時44分に廃工場に幽霊が出る、と。」

「それ以外は何かないの?」

「はい。調べてみても、特にこれといったものがなくて。」

「ふーん。」

その時、イヤホンから彩葉の声が聞こえた。

「彼女の言っている通りね。幽霊の出現時間と場所だけで、姿形などの情報は何も無いわ。」

「それって、どうして?」

「考えられるのは、色々な姿を確認して、情報が複数あり、その中の共通の情報が残ったか。あるいは、意図的に姿などの情報を出していないのか。」

「なるほどねぇ。でも、最初の方は無くない?だって、姿を見たっていう情報が1個もないのは、おかしいでしょ?」

「そうね。だから私は後ろの方で考えてるけど、何故そんなことをするのかまでは、わからないわ。」

千聖は、手を顎に当てて少し考えた。

「・・・・・・よし、入ってみよう!」

「えっ!!」

「手掛かりがあるかもしれないし、ここで考えているより、入った方がいいって!」

千聖は廃工場の中に向かって走り出した。

「まっ、待ってくださーい!」

その後を、日菜は追いかけた。


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