第2話

 ショートの髪、

 電車の窓から流れ込む秋風に揺れる。

 こんにちはの秋晴れ。

 またねの夏休み。

 学生さんの復活。

 賑やかになる、 

 平均年齢の引き下げられた、

 電車の車両。


 通勤電車の私。

 と、私の同僚。

 ちょっとポッチャリの彼女。

 とても可愛く、

 男の方の視線、

 その身に集める。


 私たちは、仲良し。

 会社の行き帰り、

 いつも二人で、

 通勤時間。


 その日の電車、

 久しぶりの学生さんに、

 車両喜ぶ。

 混雑の重さ。

 跳ね返す、

 頑張り。


 しかし…。


 混雑の車両。

 仲良しのふたりの距離、

 限りなく、

 ゼロへ。


 可愛い彼女。

 私の肩に、

 そっと

 頭を

 もたれる。


 私の同僚。

 可愛くて、

 モテモテ。

 

 しかし…。


 彼氏いない歴。

 年齢とイコール。

 その不思議。

 もしや、

 特別な

 世界の住人?

 私を危険な異世界へ引き込む

 彼女の笑顔。

 まさかの異世界の誘惑?


 危ない、危ない。

 通勤の

 ひと時。

 どこかに置き忘れた

 膨らみ。

 私の胸。

 大胸筋に、触れる、

 豊かな

 彼女の胸。


 思わず、

 私の視線。

 下へ。

 妬む、

 私の視線。

 と、胸。


 キラリと光る存在。

 発見。

 

 彼女の膝丈の

 ふんわりスカートの下に潜り込む、

 スマホ。

 グレーのスーツの紳士のスマホ。

 盗撮の紳士。

 私は、

 許さず。


 弾き飛ばす、

 スマホ。

 あわてる盗撮紳士。

 スマホを拾う、

 屈む紳士。

 掴む、紳士の腕。

 私の手。

 紳士の腕、ねじ上げる。


 次の小さな駅で、紳士を降ろす。


「警察に、通報します」


 盗撮の紳士、

 逃げる。

 逃げる。

 逃げる。


 ポッチャリの彼女には、

 待っていてもらい。

 私は、追う。

 盗撮、

 卑怯者。

 許さず。


 リップクリーム、

 私のリップクリーム。

 指で、弾く

 煙と共に、

 跳んでいき、

 紳士の足に、

 命中。

 倒れる紳士。


 とある私の、レールガン。

(申し訳ございません。作者より)

 

 人間とは、思えない。

 スピード。

 やはり、

 異世界の住人に、

 支配されているか?


「警察へ、行ってもらうわ。盗撮なんて、最低の人間」


「何を言う。お前の様なギスギスの女なんて、頼まれても盗撮しない。証拠でもあるのか?」


 紳士の発言。

 地獄への片道切符。

 成敗決定。


「証拠?証拠は、これよ」


 私の右手に持つ、

 一束の髪を、

 ショートヘアの私の後頭部へ

 スイッチオン。


「変身、ポニーテールガール!」


 本当は要らないかけ声と共に、

 まばゆい光に包まれ、

 変身する私。


 筋張った、ギスギスの手足は、

 白くて細いしなやかな手足に。

 くびれは、ウエストに。


 胸の

 豊かな膨らみ、

 私に戻る。


 赤い唇と愁いを含む怪しい光を放つ目。

 白い肌とポニーテールの揺れる髪。


 そして、

 そして…。


 白い私の肌を

 遠慮がちに包む。

 私のビキニアーマー。


 大人の魅力。

 溢れ出す。

 私のビキニアーマー。


 盗撮の紳士。

 ヨダレ。

 と、目がハート。

 ポニーテールガールに、

 反射的に、スマホを向ける。

 

 間抜けな紳士の、

 盗撮魔への

 変身。

 

 自ら示す証拠。

 

 ニーハイのブーツのハイヒールのキック。

 炸裂!


 失った意識の盗撮紳士の身体から。

 揺らめく蜃気楼の様な影。

 ユラユラ。

 

 異世界からの訪問者が…

 見えない?

 

 景色の数カ所、

 歪み。

 

 飛んでくる。

 何か。

 長くて大きい。

 槍か?

 かろうじて、直撃を避けた私の後ろ。

 コンクリートの電柱に突き刺さる円柱。

 鋭利な円錐の先を持つ、

 一メートルほどの

 えんぴつの様な槍。

 の、鏡。


 鏡面加工の槍。

 周囲の景色を映しながら、

 迫る。

 意識をしなければ、見えず。

 ならば、異世界からの侵略者は。


 やはり、鏡面加工の鎧。

 景色が、大きく歪む、紳士の隣。

 周囲の景色を映す。

 鏡の鎧。

 

 溶け込む景色。

 見失う、

 鏡の鎧。

 の主。


 ポニーテールの鞭。

 異世界の住人へ伸ばす。

 素早く動く、4足。

 人型ではない、


 異世界からの侵略者。


 飛ばす鏡面の槍。

 鞭で叩き落とす。

 しかし、

 連発する槍。


 叩き落とす距離。

 余裕を削られる、ポニーテールガール。


 異世界の侵略者の動き止まる。

 鎧、

 脱ぎ捨て、姿晒す。

 ヤマアラシの様な姿。

 槍は、逆立つ、

 彼の体毛の変化した姿。

 自らの身体に、備わる槍。

 前方にまで逆立つ二対。

 鎧の発射口から。

 撃つたび、

 後ろの槍、

 前へ。


 しかし、今…。


 背中に集まる鎧の鏡。

 姿変え、

 秋晴れの日の光集め、

 私の元へ。

 

 危険!


 素早く回避。

 移動した跡の。

 草が、燃える。

 アスファルトが、燃える。

 ソーラービーム。

 強力。


 音速の戦士。

 ポニーテールガール。

 素早く、ビームを避けながら、

 鞭を伸ばす。


 ヤマアラシ。

 鏡面の槍で、鞭の軌道を変える。

 槍と。

 ソーラービームの2重攻撃。

 手こずる。

 ポニーテールガール。


 ポニーテールガールの周囲、

 いつの間にか、

 鏡面の槍の先端の円錐。

 切り離され浮遊。

 円錐の鏡、

 取り囲む。 


 反転の円錐、

 凹面鏡に。

 ポニーテールガールを見つめる、

 太陽炉。


 ソーラービーム。

 反転した槍の先端へ。

 反射する凹面鏡。

 反射したソーラービーム。

 ポニーテールガールを襲う。


 かろうじて避ける。

 音速の戦士。

 余裕を失くす。


 ヤマアラシの鎧。

 さらに、変化。

 砲口の数、

 増える。


 ポニーテールガール。

 予測される危機。

 多方向から、ソーラービームの同時攻撃。

 パワーアップの必要、

 感じる。


 しかし…。


 迷う、ポニーテールガール。

 恥じらう乙女心。

 

 鎧の砲口から、光が漏れ始める。

 決心する。

 ポニーテールガール。


 鞭が、再び、ひと束の髪に。

 左手にも、もうひと束の髪。

 現れる。


 頭の左右に…、

 スイッチオン。


「バージョン、ツインテール」


 光と、共に

 ツインテールバージョンに、

 進化。


 ポニーテールガールの高速移動タイプ。

 周囲の動き、

 遅くなり、

 ツインテールバージョンのみが、高速で動ける世界。

 突入。


 しかし…。


 軽量化。

 放熱効率のアップ。

 迫られる。


 それは、


 ビキニアーマーの面積、

 の減少。


 肌の露出面積、

 のアップ。


 ツインテールバージョンは、

 マイクロビキニアーマーモード。

 

 亜光速の世界の姿。

 乙女心の躊躇い。

 紅く染まる頬。

 恥じらう、

 ポニーテールガール。

 の、マイクロビキニアーマーモード。


 ツインテールをその手に、

 二本の鞭。

 亜光速の雷。

 縦横無尽。

 全ての浮遊する反射鏡を破壊。

 そのスピード差。

 周囲の、

 時間が止まった如く。


 太陽光。

 反射鏡の存在、

 失い。

 通り過ぎていく。

 光の帯。

 太陽光の反射攻撃。

 不発。


 亜光速の鞭、

 ヤマアラシを引き裂く。

 鎧を粉砕する。

 全ての鏡。

 粉々。


 引き裂かれたヤマアラシ。

 悲鳴と共に、何か叫ぶ。

 マイクロビキニアーマーモードとの

 時間経過のスピード差、

 あり過ぎ、

 何の叫びか、わからず。

 


 亜光速の戦士。

 マイクロビキニアーマーモード。

 無敵。


 数秒後、

 ヤマアラシ。

 自分の最後、

 気づいたか?


 塵と化す、

 その身体。


 空間裂け、

 異世界の風

 再び。


 運ばれていく、

 かつて、

 ヤマアラシだった

 異世界の盗撮者の戦士の塵。


 異世界に帰る。


 叫び声。

 今頃、伝わる。

 おしゃべりヤマアラシ。


「その姿は、若作りすぎないか?」


 閉じた空間の跡

 八つ当たりの鞭が、襲う。


「余計なお世話。恥ずかしいのは、私亅


 マイクロビキニアーマーモードのポニーテールガールつぶやく。


 うめき声と共に、

 盗撮の紳士

 目覚める。


 ツインテールバージョンの姿

 見て、

 鼻血を出しながら、

 スマホを取り出す。


 マイクロビキニアーマーの姿のまま。

 その手首の骨。

 踏み折る。

 再び、ハイヒールキックをその顔に。

 失神する

 八つ当たりされる

 紳士。


 いや、

 元紳士。

 現覗き魔。

 盗撮魔。

 スマホ取り上げ、

 データー取り出す。


 彼の家庭に、

 何も知らない、

 家族にコピー、送る。

 妻、驚き泣く。

 娘、不登校に。


 彼の会社に、

 人事に、

 コピー送る。


 ポニーテールガール。

 容赦しない。


 警察に、突き出した、

 元紳士の盗撮魔。

 社会的に、抹殺。


 家庭から、離婚届送られる。

 人事から、解雇通知送られる。


 彼は、地獄への列車に、自ら乗り込む。

 盗撮OK。

 この車両にて、

 心ゆくまで、どうぞ。


 彼の顔には、

 微笑みが浮かんでいた。

 と、朝刊の隅に。

 

 ポニーテールガール。

 朝刊を丸め、

 握り潰し、

 屑籠へ。


 ポニーテールガール。

 盗撮、許さず。

 ポニーテールガール。

 容赦せず。


       (⁠✿⁠^⁠‿⁠^⁠)

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