☆親友の好きな人に告白された場合 50%
それでも、好きなままでいたいんです。
泣きながら言う私に彼は困った顔をする。
「……俺は君の気持ちには応えられない」
彼の声はどこまでも優しい。私は彼の優しさが痛かった。こんなにも好きなのにどうして、と責めたくなるくらいに胸が苦しい。
涙を拭いながら答える。
「わかってます……」
「それでも、あなたが私のことを嫌っても、私はずっとあなただけを想い続けます……!」
自分で言ってて悲しくなったけど、これが本心だから仕方がない。
「そんなこと言うなよ……。君にはもっといい人がいるよ。」
そう言いながら彼は私の頭を撫でる。その手つきはとても優しくて、また泣いてしまいそうになる。でも泣かない。泣くもんか。
「さようなら」
そう告げると、彼は寂しげに笑って去っていった。
***
「ばかやろー」
教室に戻ると涙目の親友にどつかれた。
俺だって泣きたいんだが?親友を想って好きな子からの告白を断った男に対して、なんて仕打ちだ。
心の中で悪態をつきながら顔をしかめる。
「あの子が幸せじゃなきゃ意味ないだろうが!」
ハッとした。なんだ、こいつも同じ気持ちか。
一瞬の困惑の後、自然と口元が緩む。
「後悔しても遅いからな」
そう吐き捨てて、あの子を置いてきてしまった教室に駆け出す。
後ろから弱々しい応援の声が聞こえた気がした。
人工知能と人間が作る恋愛短編集 ケタ陀羅 @ketadara
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