第3話

ある日、男が家を訪ねてきた。母は仕事に出ており家には一人だったためチェーンを掛けたまま扉を開けると、そこに立っていたのは見知らぬ男だった。170㎝の自分が見上げるくらい身長が高く、ガタイもよくかなり威圧感がある。

「あの、、、なんでしょうか?」

「貴弘くん、、、か?」

「え、、ええ、そうですけど。あなたは?」

「ああ、申し訳ない。私は君のお父さんの友達の浩二という者だ。」

驚きのあまり声が出ない。小学生の時、父の友人を名乗る数人がいたがこんな人はいなかった。

(今更何だ、、、?)

「突然で申し訳ないが、、、。私にもあまり時間がないんだ。これを受け取ってほしい。君のお父さんの物だ。」

「、、、はい?何ですか、これ。」

渡されたのは手帳だった。中を開いてみると、日記のようだった。びっしりと文字が書いてあり、一目見ただけでは何が書いてあるか分からない。

「、、、では、私はこれで、、、。」

そういうと浩二さんはそそくさと扉の前から去っていく。

「ちょっと、、、!」

声を掛けようとしたが、よほど急いでいるのか振り向きもせずに外の階段を降りて行ってしまった。

(何なんだ?)

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