第2話

父がいなくなってから、生活は一変した。道を歩くと、顔見知りの近所の人に家のことを聞かれる。

「大丈夫?何か困ったことはない?いつでも頼っていいよ。、、、ところで、、、」

いつもこれだった。表向きは心配したふりをしているが、その裏ではいつも真相を知りたがっていた。誰も知らないというのに。

事情を知った学校の友達は少しぎこちなくなった。先生は、前よりも優しくなり、宿題を忘れても叱られることはなくなった。幼い自分にとってその変化は絶望的だった。

突然「周りとは違う人」となってしまった。俺は宿題を忘れることはなくなり、道を歩くときは笑顔で、放課後には友達と元気に外を走り回った。

小学校を卒業するころには、父がいないこと以外は全てが元に戻っていた。

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