散歩
@parli
第1話
父は時々散歩へ出かけた。毎日というわけでなく、出かけている時間もバラバラだった。散歩へ行くときは決まって夜だったし、出かける時は少し疲れた表情をしていた。幼いころに一度だけ連れて行ってほしいと頼んだことがあったが、連れて行ってもらえなかった。話しかけるといつも目を合わせてくれる父がその時は目も合わさず「遅いからもう寝なさい」とだけ言った。頼んだのはその時が最初で最後だった。
ある日、父は散歩から帰ってこなかった。父が散歩から帰ってくる前に家族が寝てしまうことはよくあったので、帰ってきていないことに気づいたのは翌朝だった。母はすぐに警察に連絡したが、父が見つかることはなかった。俺が7歳の時だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます