第11話 私と彼女と不思議な世界
「あたしはラヴニカっていうんだぁ~!これからもよろしくね♪マスター♪♪」
私はその笑顔に吸い込まれそうになる。
でもこの感情は気のせいだと自分に言い聞かせて、彼女の後ろを歩くことにしたのであった。
「あっそうそう♪」
ラヴニカさんは何かを思い出したようにこちらを見る。
私は振り返り彼女に問う。
「...どうかしましたか?」
すると満面の笑みでこう言った。
「今からデートしようよぉ~♪」
「......」
ラヴニカさんは何を言っているのだろうか?
今さっき出会ったばかりなのにどうして出会って数分しか経っていない人とデートしなくてはならないのだろう。
だが彼女の表情は真剣そのもので冗談などは全く言ってなさそうだ。 「ダメ......ですか...?」
今にも泣き出してしまいそうな顔をしているので断りにくくなってしまった。
仕方ない....
「...少しだけなら......」
「...ありがとうっ!!」
その時のラヴニカさんの笑顔を一生忘れないであろうと思った瞬間だった。
「よーし!じゃあ行こっかぁ~」
こうして私たちは歩き出したのである。
「どこ行く?」
「んー。どうしましょう...」
「うーんっとね♪まずは服屋に行ってぇ~その後はカラオケ行こうよ!」
「カラオケですか...?いいですよ♪行きましょうかっ!」
こうして私たちは色々な場所へ行き沢山の思い出を作った。
それはまるで恋人のような時間であり幸せな時間を過ごすことができた。
そしてついに今日が終わる。
「今日は楽しかったぁ~♪やっぱり君と出会えてよかったぁ~♪」
夕日が照らす道を歩きながら彼女はそう言う。 そんな彼女に対して私は答える。
「......私もですよ」
私は嘘偽りなくそう伝える。
実際彼女と過ごした時間はほんの数時間ではあるが、それでも私にとっては大事なものだったのだ。
「えへへへぇ~」
彼女は嬉しそうに笑っている。
「どうしたんですか??」
私が聞くと
「君が私のこと大好きって言ってくれたから嬉しいんだよっ!!」
そう元気よく言う。
「......そうですか」
私は素っ気ない返事をするが内心とても嬉しかった。
そしてそのまま2人で家に向かうため歩いていると突然ラヴニカさんが立ち止まる。
それに気づいた私は歩みを止める。
「.........もう着きましたけど??どうしました??」
「.............」
彼女は何も言わずにただ一点を見つめていた。
その先にあるのは電柱だ。
特に変わったところもないただの電柱である。
一体どうしたというのだろうか....そう思っていると彼女は急にこちらに振り向き、満面の笑みでこういった。
「今日からここが私のお家になるんだからねっ☆」
あの花のような笑顔のために、私は。「君さえいれば」をあなたに捧ぐ パソコン @meganepapadoragondesu
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