第10話 屋上で出会った少女~夢の話でもしませんか?

「えっ?!」

「あなた、私の催眠術の中に出てきた空想の人物なんんじゃ....」

私はそう言うが、女の子は少し考え

「ああ!さっきの子かぁ!」

やっと思い出したかのように言った後。

私の方を見てニヤッと笑った。

「やっぱり夢じゃなかったんだね♪

それで君は誰なの?あたしはラヴニカ。よろしくぅ~☆彡」

「私は白井夢乃です....」

名乗るつもりはなかったのについ答えてしまった。

でもこの子は私の名前を知ってるみたいだったからだ。

「へぇ~。じゃあ夢乃はこれからあたしのマスターってことになるのかなぁ??」

突然わけわからないことを言ってきたのだ。

私は混乱してしまった。

「私が君のマスターになるの???」

どうやらそう聞いてるらしい。

何かもう、面倒くさくなってきた。

「.......なってください」

私は諦めたような口調で言った。

「いいよ~☆」 即答である。

私は少し驚いた だがすぐに納得をした。

「そうだよね。だって君は私のためにわざわざ時間を割いてくれたもんね♪」

彼女は嬉しそうにそう言った後立ち上がり手を差し出す。

私はその手を握り返し握手をする。

「それじゃこれからはずっと一緒だねっ♪マスター♪♪」

私はこの瞬間を忘れることはないだろう。 この子の名前はラヴニカなのだと.....

「あのー。お二人が楽しそうに会話しているとこ、申し訳ないんですけどー。」

ラヴニカと出会えたことに気を取られて、蝶が追いかけてきていることをすっかり忘れていた。

蝶は私たちの前で止まり喋り出した。

私はびっくりして一歩下がってしまう。

「いつまで手を繋いでるんですか??早く離してくださいよ!!!!」

急に怒りだしたかと思えば今度は顔を赤く染めた。

一体何なんだろうこの人は.......?

「あーあまた怒らせちゃったなぁ~☆」

そう言って私に抱きついてくるラヴニカ。

それをみた蝶の顔がどんどん怖くなっていく。

「あんたらいい加減にしてよっ!!!」

この人が怒った時は一体どうなるのか、そんなことを考えている場合ではなかった。

「せっかく夢乃と仲良くなったんだから邪魔しないでくれる??」 「はぁ?!勝手に仲良くさせんのもそうだけど何で夢乃さんまで巻き込むんですか??????」

蝶がどんどん怒りだす。

「うるさいなぁ~ちょっと黙っててくれるかな??」

その瞬間蝶の顔がみるみるうちに青くなっていった。

「わ....わかりました......( *`ω ́)ゞ」

蝶はすぐに大人しくなってしまった。

そして私から離れラヴニカの隣に立つ。

その時の顔は先程までとは違い笑っていた。

いや笑わせてしまったの方が正しいだろう。

しかしそれも束の間また顔が怖くなる。

「それじゃあ二人ともお幸せにぃ~♪」

そう言い残し去っていってしまった。

また私とラヴニカだけになってしまう。

「........とりあえず戻りましょうか」

私はそう言うと階段を降りていく

「...ねぇ夢乃」

下へ降りようとしたときいきなり彼女が声をかけてきた。

「...何でしょうか?」

「...あたしのこと名前で呼んでくれないの......?」

少し悲しそうな顔をしながら言ってくる。

確かに、先程から彼女のことを『ラヴニカ』と呼んでしまっている。 それに気づき私は慌てて訂正する。

「...すいませんでした...それでは改めてお名前をお聞きしてもいいですか...?」ラヴニカの名前を聞く。 「...うん!!もちろんだよ!!」 すると太陽のように眩しい笑顔でこう答えた。

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