第6話 神様と少女たち

「これからよろしくね♪」

「はい……」

(この人と仲良くできる気がしないんですけど……。)

そんなことを考えていると彼女が私に話しかけてきた。

「ところであんたの名前は?」

「私は夢乃です。」

「ふーん。夢乃ね……。あんたはどんな能力を持ってるか分かる?」

「どんな能力を持っているかなんてわかるわけないじゃないですか......。」

そう言った瞬間また彼女の目が輝いているのに気づいた。

「ねぇ夢乃! あたしと一緒に来ない?」

行かないけど......何するつもりなんですか?」

そう言うと急に笑いだした彼女にこう言われた。

「何って決まってんじゃん。この世界を作り直すんだよ!」

「............えっ!?」

そうして私が連れて来られたのはこの世のものとは思えないほどカラフルな色や形をした建物などが沢山ある町であった。

「どうよ、すごいっしょ?」

「これってもしかして全部あなたが作ったんですか?」

「そうそう! この力で今まで誰も成し遂げてないことをやってやろうと思ったらすごく楽しくなっちゃってさ!!」

そういう彼女の顔は子供みたいに無邪気な笑顔でとても可愛く思えた.

「でも何で私だけ連れてきたんですか? ほかにも連れてきている人がいると思うんですけど......。」

私は疑問を投げかけた。

「あぁ、それならあいつらは他の世界に送ることにしたわ。だって同じ顔ばっかりいたらつまんないしね。それにあたしだけのほうが楽しめると思うんだよね♪」

そう答える彼女の顔はまさに悪魔のように邪悪な笑みだった。

「さて、まずはどこから始めようかな?」

「始めるって何をですか?」

「そりゃもちろん!! 人生で一番楽しい時間に決まってるじゃん!!!」

「っ!!」

そう言い終わると同時に私は彼女に首を絞められた。

「あはっ♪ あははははっ!!! いい顔してるよアンタ!!!!」

やばい、苦しい......! 誰か助けて............!!

しかし周りに人はおろか、声をあげることすらできないぐらい私は苦しんでいた。

そして意識を失いそうになった時だった。

「はぁーーいそこまでー!!」

その声とともに私を締め付けていた腕が無くなっていた。

そしてそこにはさっきまでいなかった人が立っていた。

灰色の髪を長く伸ばしている女の人だ。

(誰だろう......?)

私がそう思ったのも束の間さらにもう二人現れたのだ。

一人目は赤髪をポニーテールにしている女性。

「やっと見つけたぜぇ~~~。」と言い、こっちに向かって歩いてくる。

もう一人は茶髪のショートヘアをしている可愛いらしい女の子だった。

そして彼女は私を見てこう言い放った。

「あーあ、こんなにボロボロになって......みっともないんだから早く直してあげなよ? "アズキ"?」

するとアズキと呼ばれた女性は面倒くさそうに

「はいはいわかりましたよー」と言いながら私を治した。

(治す? なんでこの子は私の怪我を知ってるんだろう?それにさっきアズキって言ったよね......?)

私がそう思っている間に彼女らは自己紹介を始めた

「どうも~、あたしは"アズキ・ナハト"!よろしくね~」

「......んでこっちのちっこい方が"ラヴリカ・アルベド"だ!覚えなくていいから!!」

そう言って彼女は頬を膨らませてそっぽ向いてしまう。

それを見たピンク髪の女の子が笑ってこう言ってきた。

「ふふっ、本当は照れてるくせにぃ~~!」

「ちょっ!!/// 別に照れてないし!///」

どうやら彼女たちは本当に姉妹のようだと思った。

(それにしても......) なぜ彼女たちは私のことを知っているのだろうと思っていると先ほどアズキと言った少女が笑いながら私にこう言った。 「いやぁ、実はねー。アンタに会いたいって言ってる奴に会って欲しくてさぁ~ここに呼んだわけなのよ~!」

会いたかった人ってまさか!? そう思うのもつかの間彼女が言った言葉に私は耳を疑った。

「ま、そういうことだからこれからもよろしくねっ☆」

彼女がそう言った瞬間突然私の目の前に眩い光が放たれた。 光によって視界が奪われてしまい、目を開けることができない。

私は思わず目をつぶってしまった。

すると私の手を握ってきたのか、誰かが握り返してきた。

それが誰だかはわからないけど......きっとあの子だよね!!

そう思い手を握り返しながらこう言った。

「うんっ......!」 そうして私たちは眩しすぎる光に包まれた。

「じゃあまた会おうねぇ~♪ "お姉ちゃんたち"(・・・・・)」

その言葉を残して三人の声は消えた。

それと同時に手の感触すらも消えてしまった。

(お姉ちゃんたちは一体誰なんだろう?)

そんなことを考えながら私は再び意識を手放すのであった..................。

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