検死官なぜか魔法学園の学園の学園生になる

視界が変わる。

どうやら能力は発動したらしい。

僕は死体の人物が経験した死を体験する。

つまりここは、過去の世界だ。

しかし何か様子がおかしい。

普段の検死官の制服ではなくなっていた。

おかしいな、これじゃあ、まるであの時みたいな。


「ちょっと!何してるの?」

目の前に、丸型の機械がいた。

ラプラス先輩に似ているようなそんな機械だった。

「ラプラス先輩?」

「違うわ?私はラプラス先輩のナノマシーン。つまりラブ様よ。」

ラブ様?どうゆうことだ?

「ラプラスお母様が緊急事態だったからあなたの体に、急いで私を埋め込んだの。なんとかなった見たいね。」

ラプラスお母様?ああ、そういえば、急にインキュベーターが起動したんだっけ。

「それで・・ラブさん?今はどう言う状況なの?」

「ラブでいいわ。私もよくわからないけれど。どうやらインキュベーターが暴走してるかもしれないわね。」

インキュベーターの暴走?そんなことがあるのか?

1000年前の機械は今の機械よりも発展していて今では廃れてしまった超技術の代物のはずだぞ・・・

「仕方ない。能力の強制終了をするしかないか。」

「強制終了?インキュベーターにそんなことができるの?」

「簡単だよ。ここで自殺すれば、元の時間に戻れる。半日インキュベーターが起動できなくなるけれど・・・」

そう言いながら淡々と準備をしようとすると、

「まっ待ってよ!自殺って死ぬの?」

ラブが驚いた口調で顔にぶつかってきた。

「えっ、そうだけど・・・」

「ダメよ。ダメだめ。そんな簡単に人間は死んじゃだめなの。」

そんな感情がこもった声で機械に死について語られるのは検死官として、初めてのことだった。

「それにお母様がなんか嫌な予感がするって言ってたから。」

「そう言えばラブはラプラス先輩と通信できるのか?できるなら。」

「ごめんなさい。できないの。」


そこで違和感に気づく。

これいつものタイムシフトとは違う気がする。

ふと手に装着した、インキュベーターを除くと、エラーの表示になっていた。

「エラー?こんなこと初めてだ。」

ラブも画面を覗き込んでいる。

「ちょっと接続してみるわ。」

ラプラスから、コンセントのような部品が出てくるとインキュベーターの回路に接触した。

「駄目ね。外部と遮断されてる。」

「遮断?」

「オフラインっこと。まあいいわ。私はオフラインでも高性能。こうなったら、一緒にあの死体の調査をしましょう。」

ラブが自分の右肩の上に乗っかり映像を移しだす。

「これは?」

そこに映し出された姿は、今の自分の姿だった。

それは、制服を着た新入生姿の若い自分の姿だった。

「どうやらあなたの生態情報から今のあなたは、8年前の15歳から16歳。制服の新しさからみると、今日から、魔法学園に通う新入生って所かしら。」

「新入生?8年前?」

どうゆうことだ?あの死体は、本当になんなんだ?

外の状態はどうなってるのか?

ここは8年前ということは、あの死体は数年経っていたのにあんな綺麗な状態で残っていた? 保存された?誰が何の為?


そう言いながら周りの景色を見ると、そこはあの魔法学園アリスの景色であった。それも昔の。

リカルド太陽検死官は、魔法学園の学園生の姿になっていた。

「これは、一体どう言うことなんだ。」

検死官のつぶやきはもはや、ただの学園生の呟きになっていた。

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