第14話 一緒にもう歌えないのかな
『僕らが保健室出身のワケ』14話
ルカはダイゴに呼び出された。
ルカはダイゴにすまなかったと一言謝ろうと思って待ち合わせ場所のカフェへと向かった。
そこにはダイゴと一緒に見知らぬ人が一緒にいた。
彼はルカに挨拶をした。
『音楽プロデューサーの音羽真也と言います。今日はキミとダイゴくんのために来ました』
ルカは驚いたようで、言葉が詰まったのだった。
そんなルカにダイゴは言った。
『ルカには悪いけど、僕は1人で歌手デビューすることになった。ルカにこのことを黙っていたのは悪いと思っているけれど、本当にごめん』
するとルカはダイゴを見て言った。
『俺もお前に怪我させて申し訳ない。なぁ、俺ってそんなにダメ人間だったかな』
するとルカはテーブルの上にあったコップの水を手で割ったのだ。
周りが大丈夫ですかという問いかけに、ルカは反応しなかった。
ルカはそのまま言葉を続けた。
『俺はお前と組みたかったから、組んだのにお前は俺と組みたくなかったのかよ。なあ、俺の何がいけないんだよ』
ルカは血だらけの手でダイゴの肩を揺すったのだった。
ダイゴは言った。
『キミが悪いわけじゃない。キミの性格が悪いんだ。また僕を殴らないと断言できるか? できないだろう。キミのことは相棒と思うくらい好きだし、また一緒にライブもしたい。でも、僕はもう怖いんだ。キミといるとまた暴力を受けるんじゃないかって。だから、ごめん。もうキミとは一緒に歌えない』
ルカの手に一粒一粒の涙が真っ赤な血と合わさった。
ルカは泣きながら血のついた手で涙を拭きながら言った。
『今までごめんなさい。俺、お前の気持ち分かってなくて自己主張ばかり強くて、歌う時も2人で歌うのに自分のことしか考えていなかった。俺変わるよ。お前が俺のこと変わらないって思ってても、俺は絶対変わるから。またどっかで出会おう。今まで迷惑かけてごめん。歌手として羽ばたくお前の姿ちゃんと見てるから。俺もお前に追いつける歌手になるから』
ルカは頭に血がのぼり、自分が手に怪我をしていることさえ分からなかった。
ダイゴはすぐさま看護師さんを呼び、手の怪我をしたルカに手当てをしてもらった。
ルカはカフェの店員さんに謝り、コップを弁償したのだった。
ルカは最後にダイゴに言った。
『また会うことはないかもだけど、俺がトラウマになってしまったことは謝る。ごめん。だから、良い歌手になれよ。イタタ...コップなんて握り締めるんじゃなかったわ』
ダイゴはルカが病院のカフェを出た後、座っていた席のテーブルについた血の跡を見て、言った。
『もう二度と会いたくない』
それを聞いていた音羽プロデューサーが言った。
『二度と会うことがないように、有名になって見返そう』
ダイゴは言う。
『はい、見返します。絶対に』
ダイゴは音羽プロデューサーと歌手として生きる為に、12月9日にデビューするために曲を準備し始めた。
ダイゴは自分の歌を作るために病室で詩や作曲を作り始めた。
次の話はついにダイゴが歌手としてデビューした時の話である。
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