第10話 部活を作るという選択
『僕らが保健室出身のワケ』10話
僕の名前は久郷正人という。
最近、学校に行く前のゲーセンに飽きて来た。
でも、もう高2の秋なのに部活に入るとかも考えられない。
毎日、真面目に学校に通うことも無理だし、どうしようと考えていた時に立ち寄った本屋である雑誌を見つけた。
そこには『Python』と書かれていた。
最初は読めなかったが、携帯でひと文字ひと文字打って検索してみると、Pythonと書いてパイソンと読むらしい。
よくよく調べてみると、このPythonでゲームが作れるらしい。
ゲーセンに飽きた僕はちょっとしたゲームを作ってみることにした。
だけど、はじめてのPythonというものは難しくて、僕の中で困難を極め、離脱した。
つまりははじめて放り出したのだ。
今まで真面目と言われて来た僕が何かを放り出して諦める。
それは僕にとって新しい発見だった。
諦めてもいいことなんだと。
放り出したのは、大体2ヶ月くらいだった。
僕は放り出した後、またいつものようにゲーセンにいた。
その日は、朝からゲーセンにいるのではなく、放課後くらいからゲーセンに来ていた。
その日の夕方にゲーセンに寄ると、石破高校の生徒らしき人がゲームやパソコンについて話しているのを聞いた。
『なあ、今Pythonでゲームを作ってるんだけど、エラーばっかりで本当やる気失くすんだよね。仲間で出来たら1番良いんだけど、こういうのって仲間増やして部活とか出来ないかな。
あー、誰かと一緒にプログラミングしてぇ』
そんな話を聞いて、久郷くんは彼らに喋りかけた。
『あの...僕、今Pythonでゲーム作り始めているんですけど、難しくて頓挫しちゃって、それで僕と一緒にプログラミング部とか作りませんか?』
こんな突然の話に相手はびっくりして、怖がらないかとか思ったが、相手は喜んで久郷くんの手を握り言った。
『マジで⁉︎ 俺らと君とで丁度5人だから、プログラミング同好会ができるよ。俺、三崎和馬で高校2年で帰宅部なんだ。でも、キミ学校で見たことないな。いつもどこいるの?』
久郷くんは自分が学校にいないことに三崎くんにばれていることが何とも言えず、言葉に詰まっていた、すると三崎くんは言う。
『言いたくないなら、いいよ。ただ名前だけ教えて、明日同好会作るために名前必要だから』
そう言われ、久郷くんは名前を告げた。
『久郷正人と言います。高校2年で帰宅部です。よろしくお願いします』
すると三崎くんは握手を求めて来た。
久郷くんは戸惑ったが握手に応じた。
そして三崎くんは言う。
『これから俺らはチームだ。俺とキミは大事な存在だ。明日の放課後、またこのゲーセンで会おうぜ、じゃあな』
久郷くんはゲーセンを出て行く三崎くん達にバイバイした。
久郷くんは明日が楽しみになった。
次の話は久郷くんと三崎くんのプログラミング同好会結成日の誕生会での話である。
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