第4話 普通の子なんているわけない

『僕らが保健室出身のワケ』4話

橋本京香それが私の名前であってwebサイトの携帯小説での作家名はKである。

私が小説を書いて載せていることを知っているのは保健室の友達と田島先生だけ。

私が他の保健室登校の子と違うのは、保健室を使う頻度が違うだけ。

ほとんどの日は学校にも行ってるし、授業にもちゃんと来ている。

だから、周りから見たら普通の子だと思う。

ただ教室という場所に本当の私を出さないだけの話だと思う。

本当の私は保健室と家にしかいない。

家での自分が抑えられなくて、ノートに書くのは小説ばかりでなく内に出た自分ばかりだ。

HOMEという題名でノートに『私を見つけて、私を死なせて』って書き殴る。

その日の気持ちを書き殴って1年経つ。

これは、1週間に一度田島先生に見せてる。田島先生がその時によって私にコメントをくれたり、時にはスタンプだったり色々かな。

これは、あくまで私なりの先生との秘密ノートである。これを提案してくれたのは、田島先生だった。

1年前の私は荒れに荒れてた。

どんなふうに荒れていたかというと自分の状態を言葉では表現できなくて、全部を心にしまってた。

ある日、意味もなく感情が爆発した。

授業中に窓を椅子で壊して、泣いた。

周りは驚いたと思う。

私も自分で驚いたけど、教室という空間が私にとって窮屈だったんだと思う。

その日から、先生に噛み付いた。

授業の時も授業後も私は先生に構って欲しかったから先生を追いかけ回した。

そんな姿を見て周りはああいう子だったけと首を傾げてた。

そんな私に担任の先生は困ったように話した。

『私らを追いかけ回すのはいいが、あなたのは度が過ぎてる。窓の件も見過ごせない。親にも話すからな』

私は窓が割れるくらいどうでもよかった。

だけど、先生たちは私の心の状態を心配していたみたい。

それから担任の先生の勧めで保健室を利用し始めた。保健室は教室より居心地が良かったのは確かだった。

保健室の田島先生は仏みたいな先生だった。

私は何も話さないつもりでいたけど、田島先生はメモ用紙に『田島といいます。今日はあなたの顔が見たかっただけだから、嫌だったら今日は帰っても大丈夫だからね』と書いて私に渡してきた。

私は一瞬驚いた。この先生だったら私の気持ち言っても大丈夫かもと思った。

それから、私は時々保健室を利用し始めた。

田島先生から言われたことを守りながら教室と保健室を行ったり来たりするようになった。

田島先生に言われたこと、それは『もし、また気持ちが揺れ動いて自分のことを抑えきれなくなったら、授業中でもいいからノートに書き殴るの今の気持ちをそれで、授業中でも良いから先生に体調を理由に保健室に来て、そのノートを私に見せて。私がそのノートに呼応するように言葉を書くから。これはあなたと私の秘密ノート、誰も知らないね。だめかしら?』

私はそんなことで気持ちが落ち着くのか分からなかったが、田島先生の案に乗ったのだ。

結果、感情の揺れはあるが田島先生のおかげでなんとか保てている。

保健室には様々な理由で人が集まる場所ではあるけど、私が初めて仲良くなった花岡美咲ちゃんにも理由があった。

花岡美咲さんにとって保健室に行く理由とはなんだったのか、それを次で話そう。

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