NO.12 回答

そして、魔法で体力を使い過ぎ、


体力の底がつくと命も危うくなる。


だから魔法は危険な力なんです。」


「完璧な回答をありがとう」


私が質問に答えたあと、校長はそう言った。


当然、彼もこの答えになることを想定済みであった。


だが、どうやら魔術師にとっては


予想をはるかに超えた答えだったのだろう。


誰もが目を見開き、硬直している。


そんな彼らの目には『魔法師』が写っていた。


―『魔法』を発動してみせた人物を。


その状態のままの魔術師たちを気にもとめず、


校長は彼らの耳に真実を深く刻みこんでいく。


「魔法師は体力を『代償』に、魔法という力を『得る』。


そしてその力は、彼女のように誰かを守ることに『繋げる』。


そういった使命が、魔法師にはあるんだ。


確かに、魔法師と魔術師は違います。


魔術師は最低限、自分の身を守ることは出来るでしょう。


ただ、魔法師は他人を守るために自分の身を案じない、愚かな戦士です。


街中で彼らに守られれば、誰でもがこう思うでしょう―」


校長の次の言葉でこの場は締めくくられた。



「―『魔法使い』のようなヒーローが来てくれた、と」

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