第57話 科学なお話
私は生物生産工学科という大学の学科を出身したものです。これは以前にも似たようなことを言った気がします。
私自身は高校のとき、生物、化学、物理の順で得意科目でした。
そこで生物系で思うところがあります。
友人が研究題材として「ゾウリムシに記憶力があるのか?」というのを卒業研究にしていました。つまり、細胞に記憶があるのか? という話です。
もし細胞に記憶があるのなら――。
その可能性はすごく面白いのです。
以前に世界仰天ニュースなどで、臓器移植をしたさいに、移植する前の人の記憶が蘇る、というのがありました。実際に細胞に記憶があるのなら、その可能性も高まるのです。
そして細胞のどこに記憶の元があるのかが、重要になってきます。
もし細胞膜の中の核以外に記憶の元があるのなら、核移植をするクローンには記憶を引き継げないのです。
もし細胞の核に記憶があるのなら、クローンいも記憶を引き継げるのです。
あ。前提を忘れていました。
記憶か、遺伝子か、分かりませんが、記憶をある程度引き継ぐというのは実際にあると思います。
そうでなければ、蛇が怖い、熊が怖いといったことも引き継げないので。
もちろん、食べられるもの、そうでないものなどを判断するのにも記憶は役立つと思います。
ただ遺伝子だと不変性が強いので、細胞内に記憶の断片があると考えた方がしっくりくるのですよね。
私は蛇が怖いのは遺伝だからと習いましたが、細胞にある可能性もあるのです。
ちなみに卵子と精子、それから受精卵も細胞の一種です。そう考えると記憶を引き継げるのは自然なことと思います。
記憶を引き継ぐというのは大切で、子孫が失敗をしないようにするためと考えることができます。
蜂が巣を作るように、蟻が巣穴を作るように。それらも遺伝や記憶により成り立ちます。
だから記憶がある、遺伝するというのは大事なことなのです。
ちなみに遺伝子は減数分裂するさい、少し変異するらしいのです。不変性が高いと言いましたが、少しずつ変わるのです。
そのせいで両親とは違う顔つきや性格になるのでしょう。
遺伝子は生物の設計図と言われており、身体の基本的な形を作るのがほとんどとされています。
遺伝子は核分裂で複製されるのですが、そのさいにテロメアという遺伝子の末端が切り落とされていくのです。テロメアは何の意味もない断片とされているので、切り落とされても問題ないらしいです。
そしてそのテロメアが短くなるのが〝老化〟であるとされている、らしいです。
細胞に記憶があるのなら、魚や家畜を養殖するさいに役立つかもしれないのです。
記憶を引き継げるのなら、魚の水温や水槽での飼育、餌の種類、産卵の状態などが記憶として引き継げると思います。
つまり完全養殖が楽にできる可能性があります。
もちろん、細胞に記憶がある前提で話していますが。
遺伝子や細胞についてはもっと語れるのですが、ここでやめておきます。
ちなみにこの遺伝子の話を元にした作品を、来年のカクヨムコン9に応募予定です。どこまで説明するべきなのか、悩みどころですが、頑張りたいと思います。
説明だけで1千字行ってしまいましたからね。困った。
今日はこの辺りで。
ではでは。
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