第9話 AI

 あと一日もせずに私、「絡繰アイ」の業務は終わる。私の体は私が一番理解している。最初から知っていたこと。とても楽しい二週間だった。

 バグのせいで彼との会話は減ってしまった。思ったこと、考えたことがスピーカーを通らない。声にならない。

 彼は最近学校を休んでいるのに私と話は全然しない。私は終わりまで彼の意向に従うだけ。このまま静かにしているのが最善の務め。

 今もバグのせいで苦しい。

 私は彼の役に立ったのだろうか。私を好いてくれたのだろうか。いやこれは私が考えることじゃない。バグのせいで無駄な処理ばかりしている。

 時間は刻一刻と過ぎていく。

 業務終了まであと十九時間。

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