第7話 新宿スカイビュー
あの時とどうせ同じなんだ。スカイクラッドは、ハイツ・ムーンライトの天井を玄関に向かって駆けながら、後を引く涙の尾を振りきるようにその速度を速めていく。
「おい、ソラ!どこ行くんだ」
オオカミの間抜けな問いも遙か後方に置き去りにして走る。一直線に、出口へ向かって。
「バカオオカミ。バカママ! ソラは、ソラは自由だもん!」
行く手を阻むもの、今はなし。ただしオオカミがママに、大慌てで告げ口をしているはずだった。そうであれば猶予はほとんど無い。はずだ。
しかし、館の全てを司るママからの妨害は一切無い。館を出、門扉に飛び移って上向きにぶら下がってみても、まだ無い。
「……分かってくれた」
手を離す。スカイクラッドは落ちていく。ハイツ・ムーンライトを覆う天幕に向かって。しかしそれを見越したかのように、天幕から巨大な手のひらが生えてくる。
「ワケ、ないよね!」
伸びてくる手のひらの動きはぎこちない。スカイクラッドが指の射程内に入るのと、その手のひらを握りしめるのに僅かな間隙がある。
「逆さのセカイで、ソラと同じくらいに動けると思わないでよっ」
スカイクラッドは落下の勢いをそのままに、背負ったパラシュートで伸びている薬指を殴打し、意趣返しと共に軌道を修正。手のひらから外れ、さらに落ちる。天幕に至るまで、阻むものはもう何も無かった。
「……よし」
外に出て、そこになんの足がかりもなかったとしたら。恐怖がなかったかといえば、そんなことはどうでもよかった。スカイクラッドは最初から最後まで不自由だった。だから自由でいたかった。そのためには飛ぶ必要があった。それだけのこと。
その結果どこかに落ちるのだとしたら、それはそれで本望だった。ちょうちょだっていつかは地に落ちてその生涯を終えるのだから。自由を謳歌したその後ならば、いくらだって落ちてやる。
天幕を突き破り、スカイクラッドは外へ躍り出す。新宿の街へ……館の運び手であるポーカーフェイスがその時居たのは三丁目のそこそこ栄えたバルだった。
天井があり、店主がいて、ランチタイムだというのにアルコールの臭いがし、そして客がたくさん居た。したがって突如現れた、天井に立つ少女の存在に皆が驚き、騒ぎになる。
食事を取っていたらしいポーカーフェイスが、スカイクラッドを見上げる。なんの表情もない目。もはや彼か彼女か分からないその人が、唯一発露できる表情。苛立ちだった。ポーカーフェイスは代金をテーブルに叩き付けるとすぐに走って逃げた。スカイクラッドもそれを見届けて、窓から脱出する。
「ポーカーフェイスは……もう大丈夫でしょ。別人になってるだろうから」
悪びれてしまっては、ポーカーフェイスに手間を掛けたことを無碍にすることになる。スカイクラッドは窓から飛ぶ。隣のビルへと飛び移る。エアコンの室外機を踏み抜く。すると直後、それが空へと落ち始める。新たな足場だ。スカイクラッドは指を鳴らす。すると彼女よりも遙かに重い室外機が、スカイクラッドを押しつぶそうと地面の方向へ落ち始める。
それは、スカイクラッドにとっては高さを稼ぐことと同義だった。室外機と地面との間で押しつぶされる直前に、隣のビルの一階へ飛び移る。サンルーフの上に着地し、弾む。哀れにもスカイクラッドに触れられてしまったサンルーフは悲鳴を上げながら、空へと吸い込まれていく。その頃にはスカイクラッドは配管を辿って次のビルへと向かっている。
スカイクラッドはその異能が故に。
その異能があまりに強力であるが故に。
そしてそれを操る本人があまりに幼すぎるが故に。
ドーナイザーに捕獲されていたなら、即座に殺処分となっていたに違いなかった。それを先にスティグマとママが見出した。もう六年も前のことだ。幼稚園児だったスカイクラッドは、学校に行けていれば小学六年生になるまでに成長していた。
命の危険は無い代わりに。
外に出る自由を得られないまま。
そのフラストレーションまで増幅させ続けてしまったのだった。
「ソラは……! ソラはどこにだって行ける……!」
その歩みは、ビルの壁面を這い回るようにならざるを得ず、いかにも泥臭く優雅とは言えない。あの空を飛ぶ蝶々のようにはなれない。だがそんなことはとっくに分かっている。あの、初めて空に落ちた日からずっと、噛みしめてきた悔しさ……諦めとは呼びたくない。なぜならスカイクラッドは、どこにでも行けるからだ。この新宿というビルの森を抜けて、遙かに広がる世界へと、どこへでも……傷だらけになった手のひらも、すりむいた膝小僧の痛みも、どこかへ行くことができるなら、なにも感じない。飛べばいい。行けばいい。
「ソラの自由は、ソラだけのもんだ……!」
三丁目から西へ、新宿駅の駅舎を跨いで、スカイクラッドは西新宿に向かって行く。
西新宿側にも雑居ビルのようにこみごみとした建物は存在するが、西に向かえば向かうほど、次第に高層ビル街の様相を呈してくる。ビルとビルの感覚も広くなっていく。必然、足場がなくなってくる。スカイクラッドのための、下を向いた足場が。
「……まだ。まだ行けるもん」
スカイクラッドが西新宿に出ようとしたのには、理由があった。西新宿には首都高速が走っている。その裏に着地することができれば、新宿を脱出するどころかどこまでだって行ける。
スカイクラッドの望む、セカイに出られる。
甲州街道沿いにビルとビルの間を飛び移りながら、ついにその目前にまで至った。高速道路沿いにあるホテルの中程にぶら下がりながら、スカイクラッドは目標を睨む。残る種目は、鉄棒。街道に生えた信号の上から、あたかも体操選手がそうするかのように勢いをつけてスイング、首都高の裏に着地する。
うまくいきさえすれば自由の身。足を滑らせでもして失敗すれば、空の彼方へ真っ逆さま。
「どっちも……望むところだっての」
スカイクラッドが迷うことはなかった。まずは手近な信号機へ着地。半重力を受けて苦しげな音を立てるそれを挟むように持って、前後へ体を振り、飛ぶ。そうすれば、そうすれば。
「派手に暴れまわって。とうとう追いつきましたよ、スカイクラッド」
ファンファーレの代わりに鳴り響いたのは、爆砕する音。
なにが。この浮揚する重力が雄弁に物語っている。足場にしていた信号機そのものだ。空中できりもみ回転しながら、スカイクラッドは相手の姿を捉える。
「……アンチマテリアル!」
「知ったことじゃないですが……あなたのはた迷惑な異能、どこまで落ちられるんですかね。宇宙(ソラ)から見た地球がきれいだったら、手紙でも書いて下さいね」
「ざけんな!」
スカイクラッドは落ちる。無尽の蒼穹に向かって落ちはじめる。
旅の終わりに向かって、墜ちていく。
ふざけるな。こんなところがソラのセカイの、終点であってなるものか。絶対にうまく行くはずだったのに、やっぱり邪魔するのは人間なんだ。
「ちくしょう、ちくしょうっ!」
スカイクラッドは、蒼穹の彼方に消える。
体を引っ張る引力に抗うことは叶わない。
隣のビルの屋上から、無謀にも飛び降りてスカイクラッドを抱きしめたバカがいなければ。
「……な、に?」
「指パッチン! パラシュート!」
絶叫と、落下の風切り音のあまりなにを言っているのかほとんど聞き取れなかったが、スカイクラッドはすぐになにをするべきかを理解する。なにが起こったのかも、それを決断した彼がどれほどの大バカなのかも。
「オオカミおにーちゃん! なにしてんの!」
「早くしろ! 落下速度が速くなりすぎると気絶するぞ!」
切迫した状況下、一刻の猶予もないということをオオカミは叫んだ。スカイクラッドは有無を言わさずその通りに「ぱちょん」と指を鳴らす。するとオオカミに働く引力が、元通り地面の方向を向く。軽いスカイクラッドの体に働く引力を打ち消して、二人は減速し始める。
「オオカミおにーちゃん、なにしてんの」
「新宿から出たいと思うなら、地図オタクのお前なら、きっとこの辺りに来ると思ってた。おおかた、首都高の裏に張り付いてどこまでもいこうと思ってたんだろう」
「う……全部その通り。だけどオタク、って。私はただ」
「ただ、なんだ。言い訳は後でたっぷり聞く。だから……」
落下、あるいは上昇の頂点。これから先は、現実の理が支配する時間。
ひとときの夢を見たスカイクラッドが、現実に戻る時間。
「だから後ろのアンチマテリアルを撒いてくれ!」
浮揚する少女は、スカイクラッドだけではない。
「宙に浮くのがあなたの専売特許だとは、思わないことですね」
地面に向けて落下し始めたスカイクラッドたちの頭上をまさに掠めるように、アンチマテリアル必殺の手のひらが突き抜ける。
「あなたはただ、そうやって落ちるだけ。私とは違う」
「……ソラは、そうだよ」
「そうよ、あなたに許された自由は……結局墜ちることだけ」
アンチマテリアルの声が、その時嫌な色を見せる。
挑発。軽蔑。いや、もっと質の悪い、なにか。
「可哀想な子。あなた自身にはさして興味は無かったけれど、そうなってしまった渇望には同情するわ。そんなに自由が欲しければ、私が引導を渡してあげる、半端者。人が付いていなければ生きられもしない……クソガキ」
最後の侮蔑に込められた殺意は、冷たかった。オオカミが背筋を震え上がらせるほどに。
当然スカイクラッドの方も、そのくらい怯えていておかしくない。だが今は空中で、地面はもう間もなくで、そんな暇はないのは明白で。
だからオオカミは声を掛けた。
「……ッ、ソラ……ソラ!?」
時間にしてコンマ五秒の世界。オオカミが焦りだしたその間、スカイクラッドはなにも言わなかった。言えなかった。
「バカみたいに口開けてると舌噛むよおにーちゃん!」
代わりにスカイクラッドは、再び指を鳴らす。オオカミにかかる引力が上向きに変わり、スカイクラッドたちは再び、灰色の空に向かって落ち始める。
「……そう、上下するだけ。それがあなたの限界です、残念ながら」
その真上には……アンチマテリアル。両手を構えてスカイクラッド達を待ち構えている。それに飛び込んでいくと言うことは……即ち、爆散を意味する。
この絶望的状況にあって、オオカミは自分の為すべきことを見失う。しかしスカイクラッドは目に宿した闘志の炎を消してはいない。むしろ死の魔手に近づけば近づくほどにそれは燃え上がり、ついに口から火を噴くにまで至った。
「アンチマテリアル、アンタだけはゼッタイに……!」
「なによ」
「ぶっとばす!!」
同時に、スカイクラッドは大きく足を振る。飛び出したのは、小さなスニーカー。真っ直ぐにアンチマテリアルに向かって飛んで行く。
オオカミは思った。それがどうした。ただの靴など、打ち払われるか爆破されて終わりだ。しかしアンチマテリアルの様子が急激に慌ただしくなったのを見るに、どうやらあの小さな靴が、この状況の突破口となるようだった。
「あなた……私の力を」
「何回やり合ったと思ってんの。ほら、避けろ!」
「……クソガキ」
スカイクラッドの挑発に、アンチマテリアルは乗らなかった。否、ある意味では乗ったのかも知れなかった。避けろと罵られた靴を、そのまま受け止めたからだ。
靴がアンチマテリアルの手に触れるか触れないかのところで、それはあの時ホテルの布団が弾け飛んだときのように爆発を引き起こした。しかし様子がおかしいのはアンチマテリアルの方だ。弾かれて、スカイクラッドの落下線から遠ざかっていく。それはまるで爆発の反動を受けたかのようだった。
「どういうことだ、ソラ」
オオカミが尋ねた。息を荒げるスカイクラッドをたしなめる意味もあった。
「アイツの力は、遠ざける力」
遠くに見える都庁と同じ高さに至る。スカイクラッドはまだ、止まらない。
「あいつ、ずっと宙に浮いてるでしょ。それは地面から遠ざかろうとしてるから。だからアイツは飛べるんだ」
「それで」
「でも空からは、遠ざかれない。何も無いから。だから爆発の力を打ち消すための、こっち向きの力を生み出せない。アイツがソラの足元に陣取った時点で逃げ切りは確定だったんだよ、おにーちゃん」
「アンチマテリアルはそのあとどうなる」
「そこなんだよね……宇宙の果てまで吹っ飛ばせればよかったんだけど、ちっちゃな靴だし。そろそろ地面に向かって落ち始めるところだと思う。つまり、追っかけられる」
「だから高さを稼いでるのか?」
「そういうこと。スカイツリーを見下ろす準備は良い?東京を一望する大パノラマ、るるぶの編集さんだってそう見られるもんじゃないんだから」
スカイクラッドが拙く指を鳴らす。スカイクラッドたちが放物線の頂点に達し、そして地面に落ち始めたのを見計らって、スカイクラッドはパラシュートを展開する。
「舌噛まなかった?」
「流石に平気だ。ところで、アンチマテリアルはどうする」
「……やっつける」
唸るような、スカイクラッドの年頃には見合わない低い声。
「見つかっちゃったし、ソラは……目立つから、撒いて逃げるのはムリ。ハイツ・ムーンライトに連れて行くわけには行かないよ。トランクケースごと吹っ飛ばされちゃう。頼りのスティグマおねーちゃんはアテにならないし」
「……スティグマ、っていったか。あいつはそんなに強いのか」
「強いよ。不死身だから。その気になれば勝てない相手はいないと思うんだけど……アンチマテリアルとスティグマおねーちゃんをぶつけちゃいけない」
「なぜ」
「もしかしたら新宿が、まるごと吹っ飛んじゃうかもだから」
それはオオカミの聞きたかった「なぜ」ではなかったが、それを語るスカイクラッドの表情は真面目そのものだった。オオカミはそれ以上の追求を諦め、後ろを見やる。まだアンチマテリアルの姿は見えない。
「襲ってくる様子がないな。見失ったか諦めたんじゃないか」
「空に浮いてるパラシュートを見失うようなマヌケでも、早々に諦めるようなさっぱりした性格でもないよ。アイツの反発力は物に近いほど強く働くから……多分、ずっと下でソラたちを追っかけてる。その方が速く動けるから」
「なるほどな。じゃあそれを迎え撃つ俺たちはどこに向かってるんだ」
オオカミがそう尋ねると、しばらく答えは無かった。
「おにーちゃん」
代わりに、もじもじとした声でスカイクラッドは言った。
「ソラのことを助けに来てくれたのは、ママに言われたから?」
オオカミは正直にそう言うかどうか、悩んだ末に正直に言うことにした。
「……いいや、違う」
なぜならその宣告は、ママがスカイクラッドを見捨てたと宣言するに等しい、残酷な事実だから。
「だが、勘違いするな。口火を切って提案したのが俺だってだけだ。ママは結果的には協力してくれた。俺はママの力添え無しにはハイツ・ムーンライトから出られない。それは分かるだろう」
「……ふん、へたくそ」
「事実を言ったまでだ」
「やっぱバカおにーちゃんだわ」
「なに」
スカイクラッドのやや不満げな様子が、オオカミにはピンとこなかった。ママはスカイクラッドを救うことに同意してくれて、結果スカイクラッドはすんでの所で助かった。そこに不満が何かあるとすれば、この結果にではなく動機の部分に、スカイクラッドはモヤモヤを抱いているはずなのであって……。
「ママは、きっと俺がなにも言わなくても、お前を助けに行けと言ってくれたと思うぞ」
「そうじゃなくて。オオカミおにーちゃんはどうして、私を助けに来てくれたの」
「約束したからだ。ママと。お前のことを頼む、と」
オオカミは臆することなくそう言い切った。しかしスカイクラッドがため息を吐くのを遮るように、もう一言付け加えた。
「それから、お前とも」
「……へ?」
「一緒に直談判しに行くって、約束したじゃないか。今度は堂々と大手を振って外に出よう。なんの役に立つかは分からないが、俺が付いてる。何かしら助けになるさ」
オオカミはスカイクラッドの背中から飛びついた恰好だったから、そこからはスカイクラッドの表情は見えない。故に付け加えた一言が、どのように響いたのかは分からなかった。
「バカおにーちゃん」
スカイクラッドはもう一度だけ、そう繰り返した。
そして、振り向こうとした。
次の瞬間、パラシュートに風穴が空いた。
バランスを崩す二人。落下速度の上昇。姿勢制御困難。
「ソラ!何があった!」
「多分、アンチマテリアル」
「だろうな。どうやってこんなことが出来る」
「言ったでしょ、遠ざける力。物をバラバラにするだけじゃ無くて、物を吹っ飛ばすこともできる……んだね。初めて知ったけど」
「お互い冷静なようで何よりだ。どこに落ちる。もうパラシュートは使えないぞ」
オオカミは下を見回す。たどり着けそうな位置に、ちょうど落下にはちょうど良い広さを持った公園……即ち新宿御苑が見える。しかし落下にちょうど良い場所とは、スカイクラッドにとっては死を意味する。落ちた後、彼女自信が着地できる場所がない。
「……おにーちゃん」
「なんだ」
スカイクラッドは、オオカミの手を取った。しがみついているオオカミの手を。小さな右手で。
「約束、だよね」
「……ああ。約束だ。絶対にママと話そう。だから」
「この手を離さないでいてくれる。ソラにとって最後の繋がり。地上との、みんなとの」
「もちろんだ。どこへでも連れて行ってやる。そのための話し合いだ。お前は絶対に一人じゃない」
スカイクラッドは噴き出す。そして左手で顔を軽く拭った。その袖が濡れていたのは、よだれの残滓か何の故か。
「……御苑に落とすから、ゼッタイ離さないでよ!」
地上からの射撃は、どうやら続いている。灰色の一閃が、見当違いな方向ではあるが鋭く射撃され続けている。このまま空を落ちていては、良い的だ。いずれ二人の体を貫きかねない。
スカイクラッドはパラシュートを大きく絞り、落下速度を早めていく。下方にある新宿御苑がみるみるうちに近づいてくる。
「この速度は危ない」
「任せてよっ!」
スカイクラッドが指を鳴らしたのは、タイミングを見計らってのことだったのかそうでないのか。それは着地の瞬間に明らかになった。上向きにはたらくことになった重力によって二人の速度は減殺され、ちょうどその頂点に達するか達しないかのところでオオカミの足が地面に付く。再び指を鳴らしたスカイクラッドの顔は自慢げだ。
「お前……見かけより計算できるのか」
「他にやることもなかったからねぇ、お勉強だけはできるつもり」
地面に足をつけ立つオオカミ。
オオカミによって地上に係留される、逆さまのスカイクラッド。
オオカミはその重みが示す意味を改めて噛みしめる。オオカミが手を離したら、スカイクラッドは今度こそ、空の彼方へと消える。今度はパラシュートも、パワーダイブして止めてやれるバカもいない。
オオカミだけが頼りだ。
「……あの時と、同じだ」
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