だれ⁈

 またひとけのないところでキスを…

 

 …大丈夫かな。

 二日連続彼女でもない人にキスを…

 そもそもサキュバスって人なのか?

 ま、そんなことどうでもいいか。

 

 

 そもそもオレこんなに毎日チュッチュッし

 たことないんっすよ…。

 

「ねー、早くぅ♡」

「あー、はい。じゃします…」

「は〜い♡いただきます♡」

 

 チュー♡

 

 キュルキュルルルン♡

 

 そして二人で階段を降りた。

 

 今日も委員長いたらどうしよう…

 

 ドキドキ

 

 

 …ほっ。

 今日は、委員長いない。

 よかったー…。

 

 

 で、本日も一緒に帰宅。

 

 …

 

 やっぱオレたちの仲って変だよな。

 

 付き合ってないのに一緒に帰るって。

 それに同じ家に帰るんだもんな。

 誰かに見られたらアウトだな。

 

 …

 

 そんな事を悶々と考えるオレの隣では、サ

 キュバスが呑気に鼻歌なんか歌っていた。

 

 …

 

 呑気過ぎんだろー…。

 

「で、今夜の夜ご飯はなんですかっ♡?」

「…もやし」

 ⁉︎

「それだけー⁉︎ヤダヤダ〜」

「ウソ、シチューだよ」

「わぁ〜、シチュー早く食べたいなぁ♡」

 

 …

 

 そっちは、ただの食事なんだろうけどさ…

 オレは、毎回キスさせられてんだぞ…

 

 お年頃なんだかんな。

 ったく、人の気持ちも知らないで呑気なサ

 キュバスめ。

 

 なんて悶々としているとまた家に帰るなり、

 猫耳出現、しっぽポワーンが出現した。

 

 …あー、サキュバスさん。

 目に毒っすーー…。

 

 

 

 

「ねぇ、ねぇ、汗かいちゃったからお風呂入

 ってもいい♡?」

 オレが悶々としているっていうのに自由な

 奴め。

 

「あー、どーぞー…」

 

 ふぅ。

 

 …

 

 これからどうすればいいのか一人ボーっと

 考えていると

「あ〜♡スッキリー♡」

 と艶々プルンプルンのサキュバスがお風呂

 から上がってきた。

 

 

 わー。

 すんげー絶景ー…。

 

 なんてサキュバスに見惚れてる場合じゃな

 いっ‼︎

 

「あんたさー、いつまでこんな生活続けんの

 ー?」

「へっ⁈そういえばそうだね…」

 

 …

 

 呑気かよ⁉︎

 

「あー、でもー修行が終わればどうのこうの

 って学んだような…学ばないような?」

「はい⁈そもそも修行ってなんだよ」

「う〜ん…なんだっけなー…、テヘッ♡」

 …

「ま、ぬる〜い修行っぽいな。」

「うー…ん、だねっ♡」

 

 つくづく適当なサキュバス‼︎

 

 オレは適当なサキュバスに呆れて風呂に入

 った。

 

 …あ。

 なんかいい匂い。

 ってかこの風呂、なんかピンクの物とか一

 気に増えたな。

 

 

 ⁉︎

 

 オレ、サキュバスに乗っ取られてんじゃね

 ⁉︎

 

 んなわけないか…

 

 …

 

 風呂上がりソファでボーっとしてたら、

 なんか…視線を感じるようなー…

 

 ハゥわっ‼︎

 べ、ベランダにカラス⁈

 いや…、コウモリ⁉︎

 

 …うーん。

 よくわからないけど黒い鳥みたいな奴が、

 じっとこっちをみていた。

 

 …えーっ。

 なんだよ、あいつ…

 

 …

 

「あっ‼︎ジョセフーっ‼︎」

 

 ビクッ

 いきなりサキュバスが声を上げるからびっ

 くりしたわ。

 

 てか、サキュバスあの鳥と知り合いか?

 ベランダの窓を開けるサキュバス。

 

 …

 

「おい、ミュン。おまえに渡す物があって来

 たんだ。ほれ」

 

 パサッと、手紙みたいなものが床に落ちた。

 

 ミュン。

 ほんとは、ミュンっていうのか。

 

 …

 

「ありがと、ジョセフ」

「あぁ、じゃオレはもう行くからな」

「えっ、もう行っちゃうの?もっとゆっくり

 していけばいいのに…」

 

 …ここ、オレんちなんっすけど。

 

「じゃ、またな」

 

 黒い鳥はあっという間にいなくなってしま

 った。

 

 …

 

 はぁー…

 なんかあいつ目力強くて疲れたわー。

 

「ええーっ⁉︎」

 ビクーッ。

 またもサキュバスの声に驚くオレ。

「なんだよ、ビックリするだろ」

「だ、だって…この手紙…」

「あ?あー、さっきの鳥が持ってきたやつか。

 見ていいの?」

「えっ、うん」

 

 …

 

 なんだよ、コレ…。

 

 読めねーよっ‼︎

 

 でも…なんかサキュバス顔色悪くねー⁉︎

 

 続く。

 

 

 

 

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