第19話 チャレンジ終了

 俺は会社にメールを打った。「諸事情により休暇の延長をお願いいたします」


 俺の別荘の風呂場には首のない子どもの遺体が残されていた。

 その子は、うつ病の母親と暮らしていただけの、生身の人間だった。


 あと、10人殺したら、元彼は俺と付き合ってくれる。

 彼がそう言っていた。

 出所したら、どうやって目標を達成しようかと今も悩んでいる。

 俺には無期懲役の判決が出ている。

 殺人、性的暴行、死体損壊。

 刑務所を出る頃、俺はいくつになっているんだろうか。


 俺は亡くなってしまった2人の夢を交互に見る。

 しかし、夢の中でさえ、どちらも俺を愛してくれない。

 どれだけ尽くしても、欲しい物が手にはいらない理由。

 それが何なのか今もわからない。

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孤独 連喜 @toushikibu

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