第15話 十一日目
俺はどこででも寝れるタイプなのだが、ソファーに寝ていたせいで肩が痛くなった。ソファーベッドじゃない、座るためのソファーだからクッションが固かった。
子どもは食ってる時以外は1日中寝ている。時々起きだしては、台所を漁っている。風呂に入れたり、歯を磨かなくて大丈夫だろうか。
この子の家族は探していないんだろうか。ネグレクトには見えない。アイロンのかかったシャツを着ていて、清潔感がある。それは初日だけだったが。今はシャツのまま寝ているから、シワシワで、髪もぼさぼさだ。
その子はまったく喋らない。それなのに、俺の家の中をすっかり熟知していて、迷わずトイレに行く。水は全然飲まない。俺は心配になる。ベッドルームを子どもに占領されて、俺はずっとリビングにいる。くつろげないけど、子どもの姿を見ているだけで満足している。ノンケの人には意味がわからないかもしれないけど、普通の男が若くて巨乳の女の子と同居している時に抱く感情と同じだろうと思う。または、ロリコンが幼い子を見るような状況だ。食べてしまいたいほど彼がうまそうに見える。
俺は頭の中でよだれを垂らしながら、彼の動きを見ている。ものを食べている時は近くに寄って眺める。彼の口の中に、次々と食べ物が吸い込まれていく様子を見るのは爽快で、何時間見ていても飽きない。
俺はすっかり彼に夢中になっていた。
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