第47話 会話が弾む組み合わせ

 イーマンの計らいで、僕とワーサル含めた三名が、フォミィを含む女性能力者三名と、デートなるものなのか、合コンなるものなのかよく分からないが、多分、面談みたいな事をする運びとなった。


 フォミィが連れて来た女性能力者は、直径10cm以内の物なら、大抵は物質化出来る能力者のミンノと、植物の成長を早める能力者のワコネの二人。

 ミンノは、口が重く、なかなか話に乗って来ないだけでなく、顔の表情も乏しく、喜怒哀楽が分からない。

 ワコネは、常にニコニコして相槌を打って来るが、それもまた本心なのかよく分からない。

 

 僕ら男性能力者と向かい合って座っている三人の女性能力者を目の前にして見比べると、確かに、ワーサルとイーマンが言っていたように、女性能力者の中で、フォミィが人気というのも、一目瞭然で頷ける気がする。


 そんな男性能力者から大人気のフォミィを煙たがったようにしてしまったのは、後々、後悔する事にならないだろうか?

 後々どころか、既に今でも……


「そうですよね、一般人の女性達だとしたら、そういう時には……」


 最近まで一般人として暮らしていたフォミィが、自分の経験した観点から説明しているのを皆、耳を傾けている。

 

「そうだな~、俺も一般人として生きていた時には……」


 一般人から中途覚醒者であるイーマンが、フォミィに何度となく共感を示していた。

 その状態は、まるで二人だけしかその場にいないかのようで、他の参加者達を取り残したまま会話が弾んでいる。


「イーマンさんは、一般人として生活していた過去をお持ちなんですね! 話していて、何だか他の能力者の男性達とは違っていると思っていたんです!」


 ここで、一般人として生きていた男性と出逢えるとは思っていなかっただけに、フォミィの表情は、一層明るくなった。

 共感出来る男性に出逢えたという事で、こんなにもフォミィの顔の表情が変化するとは思わなかった!

 フォミィの中では、イーマンの評価は、多分、誰よりもうなぎ登り状態に違いない……


「堅苦しいでしょう? ここの生活は。でも、じきに慣れますよ! 慣れたところで、元の生活の方が良かったなんて気持ちに、何度もなりますけどね!」


「やっぱり、元の生活の方が気楽なんですね。そういう事を聴くと、ここに来たのを後悔してしまいそうです……」


 一瞬、フォミィの視線が僕と合った!


 何だ……?


 それじゃあ、まるで、僕が、説得してここに連れて来たみたいじゃないか!

 いや、そんな事などないはずだ!

 僕は、フォミィに、ここに来るのを無理強いした覚えなど無いんだから!


「まあまあ、今のは失言でした! ここには、ここの良さってもんが有りますよ! 特に、女性能力者の場合は、かなり優遇されていますし!」


 そう言ったイーマンの表情は、少し複雑そうだった。

 ここでは、女性能力者は優遇されているものの、外の一般人男性の生活を知っている男性能力者イーマンにとっては、監獄にも似た状況かも知れないな…… 

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