第44話 運命の相手は……
てっきり、一般人女性としての生活を全うしたいのかと予想したが、なんとフォミィは、僕の予想を覆し、バリバリ女性能力者として生きる事を即決した!
その前までの僕は、フォミィの運命の相手については、こう憶測していた。
フォミィが一般人女性として生きるのなら、元婚約者とのトラウマを抱えながら、極度の男性不信の状態で、一生過ごしそうてゆきそうだと……
ところが、僕の憶測はそこでも、かすりもしなかった!
フォミィ自身が女性能力者として生きる道を選んだなら、パートナーは、よりどりみどりの逆ハーレムを謳歌する事を望んでいるのかも知れない!
そうか……
元婚約者とのトラウマの分も取り返すべく、これを機に、フォミィは恋愛脳へとチェンジする可能性も有り得るのでは……?
これまで見て来たフォミィに限って、そんな選択をするとは、想像出来なかったが……
状況がこれだけ一気に変わったのだから、僕が気付かなかっただけで、フォミィは意外と、それに順応しやすい人格なのかも知れない。
……と思おうとしたが
今まで、ハムスターに一途だったフォミィが、能力者の男達を手玉に取っていくなんて事は……
やはり、かなり想像し難い!
というよりも、フォミィには、そんな風になって欲しくない!
いずれにせよ、フォミィの能力は僕と被っているのだから、僕は、そのパートナー候補の一人としても、存在を許されない事だけは確かだが……
それが、無性に腑に落ちない!!
だって、そうだろう?
フォミィは、苦労してここまでコミュニケーション出来るようになった、僕の対象者なんだ!
そこまで持って来られたのは、明らかに僕の手柄なはずだ!
ところが、ふとした事で、彼女自身が能力者である事に気付いた途端、能力者と対象者という立場が、ガタガタと目の前で崩れてしまった!
今や、僕とフォミィは能力者同士……
しかも、フォミィの方は、女性能力者として、かなり優遇されてゆく事になる!
彼女の能力に気付いたのも、気付かせたのも僕だというのに!
その能力が被っている限り、僕は、金輪際、彼女に近付く事すら憚られてしまう事になるんだ。
「運命の相手の件は……私が女性能力者としての道を選択したなら、知る必要性は無さそうですよね?」
フォミィの言う通りだ!
彼女が一般人女性のままだったなら、僕の能力で導く事が出来る。
が、彼女は、もうそれを超えるものを容易く手にしようとしている。
女性能力者は、望みの相手といつでも、何人とでも交際し、結婚できるという特権が付加されている。
一般人女性と違って、本人にピッタリな運命の相手と、一生添い遂げるなんて事はしなくても良い。
その時その時で、彼女の気持ちの思うままに出来る。
彼女はこれから、自分と被らない能力者の男性の中からお気に入りを選んでは、色んな能力を持った子供達を可能な限り、大勢出産する事になるのだから……
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