第10話 会社名に対する誤解は解いたものの
フォミィに、そんな怪しげな洗脳集団が、沢山在籍しているような会社から、派遣された人物と思われては大変!
「いえ、決して、そのようないかがわしそうな意味の会社名ではありませんから! ご心配はいりません! 我々の業務は、国から依頼されたものであり、会社の功績は、常に国からも称賛されております!」
「本当に、そうなのかしら……? だとしたら、わざわざ、あなたがこちらに出向いて来なくても、客からの依頼が集中して忙しいのでは……?」
そこを突かれるとは……!
確かに、フォミィの言う通りだが……
「我が社の存在が、もっと世に知れ渡っていたなら、私もこのような訪問する機会など無かったと思います。ですが、残念ながら、今のところ、まだまだ、我々のような働き自体、あなたと同様、周囲の人々もご存知無い方々が殆どだと思われます。ですから、世に知れ渡るまでの間は、こうして、能力者が訪問するような形態を続ける事になります」
つい弁解のように長々と説明してしまったが、フォミィに理解してもらえただろうか?
「活動の仕方については理解しました。ただ、会社はともかくとして、あなた自身には、そんな説得力は感じられません!」
僕に、説得力が無い……?
そんな事は、今だかつて、面と向かって言われた事は無かった!
僕の説得力が無いというのは……
一体、何が足りないというのだろう?
「説得力が無いと感じられたのは、何を根拠におっしゃっているのでしょうか? 是非、離して頂けると助かります。僕に落ち度が有るのでしたら、すぐにでも改めたいと思いますが……」
フォミィが、ただ、漠然とそう思ったわけではあるまい。
何か、彼女は僕の中に欠けているものを見出したはず。
自分に関する事は、意外と自身では気付き難いものだから、今後の為にも、それは聞き出して、知っておかねばならない!
「申し上げたところで、早急にどうにかなるとは思いませんから、無駄かも知れないです!」
何なんだ……?
そのかなり嫌味を含んだ言い方は……?
こんな対象者の玄関口で、イライラ感情を沸かせてはいけないという自覚は有るが、だんだんと積み重なる発言によって、クールダウンさせる事が困難になっている!
やはり、このフォミィという人物は、僕が最も不得手とする種類の人物なのかも知れない!
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