第3話 強い警戒心
仲間が迷惑をかけて来た罪滅ぼし宣言をして、フォミィの関心を引けたまでは良かったものの……
いざ改めて、その手法を尋ねられると、そこまで考えてなかった自分は、二の句を継げずにいた!
このままでは、マズい!
フォミィの顔は、だんだんと難色を示して来た。
「その様子でしたら、口先だけで都合の良い事を言ったようですね! そんな事だと思っておりました! 元々、あなた達のような能力者達は、私達のような無能力な一般庶民を見下しているのでしょう? 私達が常に、あなた達の言いなりになるとでも思っているのでしょう?」
見下しているのだろうか……?
「とんでもないです! 見下してなどいません! この国の今有る悲惨な現状を打破しようと、ただ必死に動いているだけです!」
そう言いながらも、その現状を打破できる鍵は、自分達、能力の有る人間に委ねられていると自負しているのは、確かなのかも知れない……
「必死に……私達のような無能力者を意のままに、そう、コマのように動かそうとしているのでしょう?」
無能力者をコマのように扱って来たつもりは無い!
そんなつもりで仕事をして来たわけではなかったが……
それでも、一般人の目からは、僕らの仕事は、そう見えているのだろう。
「それは、僕達の意のままに出来る事とは思っていません! もしも、そうなら、もっと効率良く、この現状の覆していたはずですから」
「そうですね……それは分かる気がします。今までの私の身の回りで起こった事を振り返れば、一目瞭然です!」
不服顔のままではあるが、ファミィが共感を示してくれた!
もう一押しだ!
「分かって頂けると助かります! 僕達の仕事に対し、一定数の人々が反感を示しているのも知っていますが、あなたには、知っておいて欲しいんです! 僕達は、あなた達を自分達の利益の為に、利用しているのではないという事を!」
「この国の現状を憂慮して、打破したいというのは伺いました! それは、とても殊勝な事だと思います! ただ、その計画に私をカウントするのは、止めて頂けませんか?」
敵意むき出しの視線を突き付けて来たフォミィ。
前進出来きていると思った矢先、まだまだ停滞しているのだと、実感させられた手厳しい一言だった。
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