悪夢 酒瓶

仲仁へび(旧:離久)

第1話



 ひどい夢だった。


 彼女が殺されてしまう夢。


 俺には付き合ってる彼女がいるんだけど、ついさっきその彼女が殺されてしまう夢を見たんだ。


 彼女の美しい顔が、頭から無残に破壊されて、血しぶきが飛び散る。


 いつもにこやかだった表情は、驚きと恐怖にいろどられていた。


 そんな、妙にリアリティのある夢だったな。


 夢じゃなかったら、発狂していたかもしれない。


 でも、俺は今まで眠っていたんだから、あれは紛れもない夢のはず。


 なあ、そうだろ?


 俺は近くにあった酒瓶の、その表面に映った自分にといかけた。


 この瓶のラベル、こんなに赤かっただろうか。


 なんでかひどく頭が痛くて吐き気がする。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

悪夢 酒瓶 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ