第19話

お金が入ったので、ロッドさんのお店で色々買い物をした。レナさんと一緒だったんだけど、ロッドさんのお店に行く前に寄ったリタさんという大工さんとゆっくり話したそうだったので、後で迎えに行くからと言って置いて来たんだ。レナさんは、街をひとり歩きしたがらない。男嫌いではなく、男性が苦手みたいだ。レナさんと歩いてるとよくナンパされるんだけど、いつも怯えてるもんね。


「マイスさん、ずいぶん買いますね」


「ええ、買えるうちに買っておかないと……」


「ナビ、売れました?」


「おかげさまで売れました。ルビーと青蝶の羽をまた使うかもしれないので、仕入れられたら確保をお願いします」


「分かりました。比較的手に入りやすい材料だから助かります。羽は、そろそろアオイさん達と取りに行かないといけないかもしれません。今度、指名依頼を出しておきますよ。アオイさん達は、人気がありますから早めに押さえておかないと」


「そうなんですね。アオイさん達、やっぱり人気あるんですね」


「そうですね。とても真面目ですし、お強いので護衛の指名依頼がよく入りますよ」


貴族のお嬢様がよく指名するそうだ。荷運びの依頼も多いんだって。信用できる冒険者って事だね。


それなら尚更、アレの作成を急ごう。 


帰宅してから、アオイさんに休暇を願い出た。


「アオイさん、3日程お休みを頂けませんか? その分、次の休日は働くので」


「マイスからそんな事言うなんて珍しいね。結局この間のおやすみも大工さんして貰ったし、5日くらい休んでよ。それから5日働いてまた2日休み。ナビの納品も済んだから、急いでやってもらう事もないしね」


おやすみが、増えました……。もうなんなのこの職場。最高過ぎるでしょ。


「良いんですか?」


「うん、休み明けから家作りをやってくれたらいいよ。マイスがおやすみ欲しいって事は、やりたい事があるんでしょう? 私達も、指名依頼が入ったからしばらく留守にするし。出かける前に炉を作るよ。大きさとか教えてくれる?」


「はい。よろしくお願いします。これで鏡や窓ガラスが作れます」


「窓ガラスって高級品だよね。それを作っちゃうんだね」


「ガラス細工をやってましたから、本当はもっと細かいものが得意なんですけどね。窓ガラスや鏡くらいなら何とかなります。みなさんはしばらくご不在ですか?」


「明後日から、ロッドさんと素材収集で、そのあと護衛依頼があるから、しばらく留守にするかな。ご飯、材料はいっぱいあるけどどうする? 作り置きしとく?」


「大丈夫です。なんとかしてみます。カナさんのご指導のおかげで少しずつ出来るようになったので」


「ワレガ オシエテ ヤルゾ」


「キュビさん、料理できるの?!」


「あぁ、そうね。キュビちゃんが居れば安心ね。よろしくね」

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