声を聞いて
私の声が聞こえる?荒波に揉まれて息も絶え絶え、死に物狂いで呼吸を続けている私の微かな声が。正直なところ、どうやって明日を生きていったらいいのか分からないでいる。そりゃ何も考えず、ただ無になって一日をやり過ごすことは可能でしょうけれど、私はそんな事をしたいわけじゃない。確かな生き甲斐を持って地に足つけて生きていたいの。けれど今の私を見れば、まあ無様で不安定なこと。貴方にもきっと哀れに見えているだろう。あなたの手を離した私をきっと馬鹿だと思っているだろう。生暖かい夢に浸っていれば、死ぬ迄幸せな幻を見ていられた筈なのに。私だって本当は少し後悔している。隣に声が無いことが、無性に寂しくなる時がある。現実に私の居場所なんて何処にもなくて、誰かに縋ることも、認める事もしたくなくて、唯一人ぼっちで永遠に迷走を続けている。他人に触れなければ、自分の形が分からないままだ。私は私の姿を、きっと未だに認識することが出来ていない。一人は辛い。でも、人と関わるのはもっと嫌い。貴方の声が聞きたいけれど、戻れる程の甘さも持ち合わせていない。故に八方塞がりでいる。後にも引けず、先にも進めず、前も後ろも判らず、もうどうしていいのか分からない。
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