第20話 運動会
そのころから、僕らの3人での部活帰りと塾で、少し雰囲気が変わった気がする。
3人では、今までみたいにテンポ良く話ができない時があった。
基本的には些細なことだろうと、僕は、そこまで気にしてはいなかったと思う。
ちなみに、人見と浅倉さんはすでに塾を辞めていた。
夏休みが終わると、今度は秋の運動会の準備が始まる。
組体操やブラスバンドの練習に忙しくなる。
小柄な僕は組体操でだいたい上になる。
高いタワーの上に乗るのは、割と怖い。
クラスメイトを信用できなちゃ、できない芸当だ。
ブラスバンドでは自分が何をやったか覚えてない。
と言うことは、楽器で大した練習はしなかったのだろう。
行進の練習だけは、覚えてる。
何度も何度も練習して、当日はお祭り騒ぎだ。
確か、各学年で4色のチームに分かれて競った気がする。
綱引きや、ボール投げや、徒競走で点がついたはず。
僕は個人競技は全滅だった。
確かダンスもあった気がする。
女子と手を繋ぐ感じのダンスで、僕はうれしいような恥ずかしいような感じで踊ってた。
残念ながら、ダンスでは石川さんと手は繋げなかった。
親は親で、校庭の決められた範囲でのレジャーシートの場所取りで競ってた。
親が学校に来るというのも年に一度か二度ある程度なので、なんだか変な感じだ。
お昼休みの出店での買い物が一番の楽しみだった。
お昼休みの時間、うちの親と麻美の親は、うまく場所を確保できたようで、隣同士に並んでた。
麻美のうちの弁当と、僕のうちの弁当のおかずを交換したりもした。
麻美のお母さんは、性格が麻美によく似ている。
というか、それは逆か。麻美が、母親に似たんだろう。
ちょっとキツめの性格と、世話の焼きかたがそっくりだった。
お父さんは、とても物静かな人だった。お酒馴染みでも仕事が忙しいのか、あまり会ったことはない。
中一の運動会はこれくらいしか覚えてなかった。
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