第16話 卓球大会

夏休みも中盤になり、いよいよ卓球の大会が開始される。場所は、隣町でそこまで男女ともに自転車で移動する。複数の中学校が集まって、団体戦と個人戦をする。僕は団体戦では補欠だけど、個人戦には出られる。と言うか全員出られる。それだけ、田舎の市民体育館は広く、卓球台も数がある。そして、部活の1年の人数的にも全員参加できる人数だった。


みんなは、凍らせたスポーツドリンクかお茶をタオルで巻いて持ってくる。暑い体育館の中では、これが癒しになる。


試合前には、ラケットのゴム部分に泡タイプのクリーナーをつくて、スポンジで手入れする。そこにボールを乗せてバランスを見たり、軽くバウンドさせて調子を見たりする。僕は両面が使える、シェークハンドタイプというものを使ってた。卓球のラケットには、もう一種類ペンタイプと言うものがあって、文字通りペンを握るようにもつもので、片面だけしか使えない。

僕の中学では、シェークハンドが多かった。たぶん、全体的にもシェークハンドの方が多いんじゃないかと思う。


僕らは、運動服からユニフォームに着替えて、それぞれ出番を待つ。

高井くん、郡司くん、桜木は、上位チーム。

僕は、下位チーム。

他にも一年生は15人くらいいたけど、だいたいは上手いか下手に分かれると、僕は思ってた。もちろん、順位付けすれば中間の実力者も出てくるけど、僕は本当に最下位チームのメンバー以外には勝てたことないので、上位も中位も同じように感じてただけかもしれない。


石川さんも女子では、下位チームだった。試合でも練習でも男女混合戦はないので一度も対戦したことはないけど、たぶん僕よりは上手い。


僕は案の定、早々に敗退して休憩を満喫してた。石川さんも負けたようで休んでた。

卓球部女子も、男子と変わらなくらいの人数がいて、そして男女で大会も分かれてる。遠巻きに見えても、試合中のテーブルや、他の中学校の生徒を避けながら、会いに行くのは難しい。

僕は、団体戦が始まるまで、少し体育館を出ることにした。体育館の横には、柔道場が併設されている。僕は何気なく、そっちに入って行った。すると休憩室の中で、うちの卓球部3年生の数人がタバコを吸っていた。僕はびっくりして、動けなくなった。

すると先輩の一人が近づいてきて、「誰にも言わないでくれよな」と優しく言った。僕は言葉にならない声で、はいと言った。

すぐに柔道場を後にして、みんなの元に戻った。うちの3年ってタバコ吸う人、いるんだ。

あとで、友達の家に行った時に、その3年生のお兄さんも家で友達とタバコを吸っているところを見てしまった。うちの学校の3年って、怖いんだ。いつか、みんなで話したことを思い出していた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る