第15話 3人の関係を考える
「そういえば、お前、石川と増谷のどっちが好きなの?」
郡司くんに言われたことが、頭から離れなかった。
石川さんと麻美。
僕は、もちろん石川さんが好きだ。
麻美のことも好きというか嫌いじゃないが、それは恋愛感情ではなく友達としてだろう。と言うよりも、幼馴染の付き合いが長いから、自然に一緒にいられる感じだ。これは好きとは違うだろう。
「人が少ない中での恋愛だからね」
いつか、麻美が言ったセリフだった。
この時、僕は心の中で何かがもやってしていた。今、思い出しても、もやもやする。
この気持ちはなんだろう。
僕と石川さんがうまくいったら、麻美はどうなる?
僕と石川さんが、もしも付き合ったら、今の関係は続けられるのだろうか。
麻美は、大丈夫な気がする。でも、なにかさびしい気もする。
「あぁ、わからない」
麻美は祝ってくれるだろう。友達として同じように接してくれるだろう。
でもなんだろう。
なんか。なんか。なんか。
そうだ。なんか、麻美を置き去りにしてしまう気がする。
なんで? なんで? なんで?
そもそも麻美は好きな相手はいるのかな。
これだ。
僕と石川さんがうまくいったら、麻美も好きな相手とうまくいけばいい。
僕は自分の気持ちが晴れて、スッキリした。
麻美に聞いてみようか。誰が好きなのか。
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