第7話 イタズラのベー

ある時、給食の時間に仲の良いクラスメイトの桜木と郡司くんが休みで、僕は一人ぼっちとなった時がある。ちなみに、郡司くんも同じ卓球部だ。

給食の時間は、好きなグループで机をくっつけて食べていいルールだった。

後から知ったことだけど、これはクラスによって違うらしい。


石川さんは、僕が一人でいるのを見るとこっちにおいでよと誘った。

僕は、さすがにそれはと思いつつ、ボッチでいるのが怖くて彼女の提案に従った。

彼女が男女問わず、分けて立てなく接するタイプだとしても、ちょっと目立つ。

いや、かなり目立つ。

女子のグループに入っているのは、僕だけなのだから。


それでも、女子だけで話題が進み、石川さんも自然に会話している。

この前のことは忘れてしまったのかと思うほど、彼女はずっと自然だった。

僕はそれに不安を感じ、ほとんど無口になっていた。


女子たちの会話の途中で、教室の誰かがふざけながら叫んだ。

「こら! ほ・り・ご・え(堀越)!」

この頃、僕の教室で流行っている言葉で、笑いの鉄板だった。

堀越という男子が、担任の教師に怒られる時にいつも言われるセリフだ。

クラスメイトの誰かが真似して言ってから、掘越以外がふざけた時にも、だいたいみんなこの言葉でツッコんだ。


僕が机を寄せているグループの女子たちも、そっちを見て笑っている。

その時、僕は石川さんと目があった。すると彼女はイタズラっぽい表情で目を細めて舌を出して、ベーってしてきた。

それは、ほんの一瞬で。

え? どういうこと?って思ったけど、とにかく可愛かった。死ぬほど可愛かった。

それから、僕は自然に女子たちの会話にも入っていけて、無事に給食を終えた。

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