第3話 苦い思い出

好きだと告白されて、何をどうして良いか分からない僕は、もやもやしながら数日を過ごした。

いつも以上に、石川さんのことが気になっていた。


数日後、麻美が僕に話しかけてきた。

「この前の子はどう? なんて返事しようか?」

僕が何を答えたら良いか迷っていると、彼女は言った。

「断るってことで、いい?」

「・・・う、うん」

「わかった。伝えておくね」

歯切れが悪く僕が答えると、それが当たり前だったように彼女は答えた。

そして笑顔で、じゃあねと言ってさって行った。

僕は手紙をクラスメイトに見せたことを怒られるんじゃないかと、

ちょっとかまえていたのに肩透かしだった。


でも、告白してくれた女子はたぶん怒ってた。

その後、廊下ですれ違った時に、その子は怒ったような顔で僕を睨んですれ違う。

僕は心の中でしか、ごめんなさいと言えなかった。

今でも思い出すと苦い思い出だ。

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