第三章
ep.14 夏だ!
====
〇登場人物!
====
辺りは夏まっ盛り。
なんせ12月なのに気温が36℃ある。異常だ。
バカンスに行くことにした。
「行くぞ」
「HEY HO!!」
ヒマワリのサングラスを掛け、夏色ビキニで空港を通る。『Excuse me』と止められたのでビンタで歓迎してやった。
私たちは今、エアコンの効いた旅客機で空を飛んでいる。
「操縦桿ってこんな感じなんスねぇ~ちょっと握らせてくださいよ」
「あ、あの……」
「悪いが泳がせてもらうぜ。暑いからな」
操縦室いっぱいにビニールプールを広げ、炭酸水を注いで泳いだ。
「うひゃあぁ~~こりゃ天国行きだぜ。シュワシュワァアっってよぉ」
「お客様!」
「凶さぁん。なんだか私ら、暑すぎてオツムおかしくなってませんか?」
「かもなぁ~ウヒャヒャヒャヒャ」
「キャアアアアアアアアアアアアアアアッ!」
客室から届いた女の悲鳴を聞き、私たちは我に返る。操縦室で何をしているんだ?!
「えらいすんませんした」
「根はいい子なんです、ウチら」
ドアを開けると、機内の窓にびっしりと手が張り付いている。血まみれだ。
ここは高度10000mだから、たぶん幽霊だろう。
「借りるぜっ!」
近くの席の折り畳みテーブルをたたき割ると、その衝撃でイヤホンが抜け、おじさんが聴いている『FLYING IN THE SKY』が流れ始めた。
「いい曲やね」
おじさんの
ズババっ!
手の幽霊を弾き飛ばし、私の身体は冷たい空に躍る。
「行くぜ!」
「行きます!」
落夢とともに、私は眼下の大海原へとダイブする!
目指すはバミューダトライアングルの中心。
空港もない謎の島に、私は決死のバカンスに行く!
「イカしたバカンスの始まりだッ!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます