第46話 捕獲成功

遅れました。ごめんなさい。あと、少し短めです。


「目標を確認。レッカー鳥を、ロックオン!!続けぇぇぇ!!!!」


「うぉぉぉぉ」

「レッカー鳥だと!?」

「………これは好機」


俺のテンションに合わせて叫ぶヤツが2人、冷静なやつが1人。


レッカー鳥の魔力反応を捉えてからレッカー鳥の所に到着するまで魔道具を使い、10秒もかからなかった。


そしてそこには10匹弱のレッカー鳥。オレンジ色の羽毛を纏う鳥だ。大きさは成鳥で高さが人間の男子中学生程度。


そして、この鳥はとても美味い。そのせいで乱獲され、今は絶対数が少ないのだ。最近は色々な貴族がレッカー鳥の養殖を始めようとしているが、そもそも見つけられずに断念、なんてことがざらにある。


「レッカー鳥を確認。1度全ての鳥を気絶させる。そのうえで、雄と雌の1匹ずつを捕獲し、養殖に回す。他は食料だ。ここは俺に任せろ」


俺はレッカー鳥に見つからぬ様、小声で話した。すると、他の3人もこくこくと、頷いた。


と言うか、鳥ってどうやって気絶させるんだ?首のところをチョップするとか?いや、それだとなんか違う気がするし……。


よし、作戦変更だ。まず俺が単身で乗り込み、雄と雌を見分け、他の鳥を一気に仕留める。その旨を伝えると、本当にできるのか?と言う問いを受けたが、なんとかなるだろう。


俺は静かに、魔法を使う準備をする。簡単な話だ。身体強化を強めに掛け、風魔法で自分の速さを増加させる。そして思考加速で体感時間を極限まで長くすることでことで自分のスピードがどれだけ速くても雄雌見分けられる算段だ。他の3人には俺が仕留めなかった2匹を捕まえる役目を与えた。魔道具に乗っているし、捕まえることは可能だろう。俺も仕留め終え次第、捕まえることになっているし。


「それじゃあ俺は行くぞ。一瞬だから、気を抜くな」


3人が頷くのを確認し、俺は飛び立った。


鳥の数は9、足が長いので少し屈みながら見ると性器があるかないかですぐに分かる。すると、雄はまさかの1匹だけ。ハーレムを築いていやがったのだ。


必死に雄鳥を殺したいのを抑え、近くにいた雌鳥と雄鳥だけ残し、他の鳥の首を切る。


「捕まえろぉぉぉ!!」


「「「うぉぉぉぁぉ」」」


仲間の首が一瞬で落とされた瞬間レッカー鳥は瞬時に逃げた。


俺は身体強化と思考加速を解除し、叫ぶ。すると、2人と1人に分かれて逃げた鳥を追っていたので、俺も参加し2:2で追跡する事にした。


そして、2人で追えば簡単に、5分と掛からず、レッカー鳥を捕まえることが出来た。


「よくやった、アルロイス」


「ありがとうございます!!」


あるロイスは第1小隊のメンバーで俺と共にレッカー鳥を追ってたやつだ。レッカー鳥と同じようなオレンジ色の髪と瞳が特徴だ。歳は先月26になったばかりだそう。


捕まえた鳥はクリッピングしようか考えたが、帝都に帰ればどうせデカ目の飼育小屋を作るだろうし自由に飛べるようにしてあげた。


「それにしても暴れないですね、この鳥」


「あぁ、無駄な抵抗は諦めたんだろうな」


side:第1中隊、第1小隊所属Bermundベルムント Ankerアンカー


「オイゲン殿は右から回って下さい!自分は左から回ります!」


「……了解した」


私がオイゲン殿に指示を出すとオイゲンは指示どうりに右から回ってくれた。オイゲン殿は私より歳も実力も上を。なのに私の指示に従ってくれる。それは偏に前前団長のおかげだろう。彼が私の適切に状況を読み、指示を出せる能力を見出してくれ、私を起用してくれていたからこそ、今、オイゲン殿は私の指示に文句を言わずに従ってくれている。


私の読み通り、レッカー鳥を左右から追い詰めた私たちがレッカー鳥を無事捕まえることが出来た。団長たちの方は既に捕まえていたらしく、団長達が捕まえた鳥と共に私たちの方を見ていた。


「申し訳ございません。お時間お掛けしました」


地面に降り立ち、すぐ、団長に謝る。


「いや、良い。よく捕まえた。俺は捕まえたレッカー鳥達を連れて野営地に戻る。お前らはこれにレッカー鳥達を入れて来い」


そう言って団長はマジックポーチを私に渡す。


「了解しました!」


「うむ」


そう言うと団長は2羽のレッカー鳥と共に野営地に飛び立った。レッカー鳥は自分で飛んでいる。いつの間に調教したのだろうか。



side:第3中隊隊長Achterエイター Vonフォン Hertzbergヘルツベルク


我々第3中隊は団長より、頂いた任があるが、やることがない。なんだよ、伐採された木の加工と仕留めた動物の解体って。


そんな事を考えていると団長がこちらに飛んで戻ってきた。2羽の鳥と共に。


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