第19話 パーティーと謎の子


 パーティー前日の夜、予定どうり、父上に呼び出され、アパーティー用の服を見せてもらった。やはりと言うべきか、こった造りのビ・ア・ラ・フランセーズがそこにあった。俺とライトは赤を基調とした服だが、ジーク、レントは青を基調とした服だ。それにしても――


「うむ。似合っているな。これで明日のパーティーに出席すると良い。それと、明日の予定はクリアーダに話した。そこからアンナ、ユーナ、シェリーに伝わっているだろう。そこから詳細を聞いてくれ」

「お父様。それは理解しましたが、服の完成、試着がパーティー前日というのは遅くないですか?これでサイズ等が違ったら大変じゃないですか」

「はっはっ、やはりそう思ったかライト。しかし、余はあの者らを信用しておる。必ずや余らの期待にそうモノを作ると信じていたのでな。はっはっはっ」


 ――俺と同じことを思っていたらしいライトが質問したが……信頼えげつねぇな。





 お父様の部屋から出て俺たちは各自、自分の部屋へ戻った。そこでクリアーダに明日の予定を聞く。


 曰く、俺たちは学校に行っていないので他の貴族と関わりがないため、他家は俺たちに挨拶に来る必要があるらしい。なんでも覚えを良くするためだとか。今のところ、予定ではベルン兄さんが皇帝になる予定だけど、確実では無いし、何があるか分からない。加えてまだ皇太子でもないので俺らに媚びを売る必要があるのだとか。まあ、俺とレントは皇帝にはならないので自由に食事でもするとおもうが。


 そして次に今回は子供たちの自主性を重視したパーティーにするらしいので俺たちが入場すると貴族の当主達は部屋を出て当主、その妻達は他の所へ行き、お父様たちと共に子供たちとは別のパーティーをするんだとか。


 さらにこのパーティーに参加出来る子供は俺たちは今までどうり皇族と同い年またはひとつ上の子供たちのみの参加となる。


 因みに今年は帝国に存在する、二家の公爵家、辺境伯家、四家の侯爵家の全ての家に同い年の子供がいるとの事。加えてしもの男爵、子爵はそれぞれ100家近くあり、それぞれ約半数近くの家の子らが参加条件を満たしているらしい。


 つまり、参加する子供が多いということ。そうすると必然的にトラブルは起こるだろう。なので近くには騎士たちが構えているとの事。


 このパーティーは学校などであまり関わらない子供たちとも関わるので婚約者探しのためのパーティーなんて言われているが別に貴族は貴族と結婚しなけりゃいけないなんて法律はない。むしろこの国は自由恋愛推進国だ。もちろん政略結婚がないかと聞かれれば答えはノーだ。普通にあるらしいしね。とりあえず今日はもう寝て、明日に備えるしかないよね。うん。



 朝。俺はいつも通りクリアーダに起こしてもらって、朝飯前に持久力をつけるランニングと瞬発力をつけるランニングをレントと共にこなし、朝食を食べ、少しダラダラした後、昨日完成した服に着替えることにした。




 現在時計は午前11時を指していて、自分の部屋に俺の耳にガヤガヤと声が聞こえる。恐らく、パーティーの参加者たちが集まって来ているのだろう。こういうパーティーは礼儀として下の身分の者から入場するようになっている。実力主義を掲げている帝国でもある程度は身分について、決まり事はあるということだ。


 30分ほどした頃、部屋を出ていたクリアーダが戻ってきて既に他家の者たちは全員揃った旨を伝えてきた。そろそろ行くとしよう。


 部屋を出ると、ジーク、レントにライトが同じタイミングで部屋を出てきた。


「同じタイミンクだな。一緒に行くとするか」

「そうだな」


 俺の問いかけのレントは返事をし、ほか2人は頷くだけだ。とりあえずこのまま行こう。



 城の外へ出て、会場である、庭に来ると、たくさんの視線が向けられるのがわかる。


 もちろん、今はお父様もいるわけで、俺ら4人はお父様の後ろに引っ付いて歩いている。クリアーダ達俺たちに引っ付いてはいない。少し離れたところから、こちらを見ている。


 会場に入り、歩いていると、入口の対辺には壇があり、父上がそこに乗り俺達もそれに続く。


「今日は息子たちのために集まってくれてありがとう。礼を言う。余はこの挨拶が終わり次第会場を出る。当主たちもそれに続いてくれたまえ」


 壇に上がり、父上が話す。乾杯!と言い、本当に出ていった。


 瞬間、ドドドド!と言う音がしたかと思えば令嬢たちが一気に寄ってきた。


「お初にお目にかかります!わたくしは―――」

「わたくし―――と申します!」


 など、俺らの周りに集まる形となった。もちろん令息達もよってくるわけで。


「僕は―――と言います!」


 など、自分を売りに来る。少し周りを見渡せば8人の子供がつまらなさそうにしている。彼ら彼女らはおそらく、公爵、侯爵、辺境伯の者たちだろう。俺らに媚びを売る必要のない家だ。彼らの家は所謂上級貴族と言うやつで、発言力がある。そのためわざわざ俺たちに媚びを売る必要がないのだ。


「あー、その俺に媚び売る必要は無いぞ?俺は皇帝になるつもりは無いからな。売るならほらあそこに俺と同じ顔のヤツがいるだろ?あいつにしろ。あいつはきっと皇帝になるぞ」


 早くご飯食べたいし、囲まれるのめんどくさいのでライトを売って逃げることにする。すると彼らは俺から興味を失ったのか、みんなライトの方へ言ってくれた。すると、ジークの方にも集まっているではないか。おそらくレントも同じことをしたのだろう。


「行くぞ」

「そうだな」


 俺とレントは悪い笑みを、浮かべながらライト達を一瞥し、一目散に料理の方に行く。このパーティーはバイキング形式で毒も入れ放題なので常に騎士が等間隔で見張っている。


 俺たちは料理を取って、座ろうとしたのだが、


「なぁ、2人で食うのはつまらんし、別れて食おうぜ。お互いに友達作るのも悪くないべ?」

「あー、ありだな。じゃあオレはあっちに行ってくる」


 俺の提案に快く承諾してくれたレントと別れ俺は1人で座っている白いロングヘアーの子の元へ向かう。


「隣、いいかな?」

 我ながらナンパっぽくなってしまったが仕方ないだろう。


「えぇ、大丈……b……へ?第5皇子?」

「?あぁ、リュークハルトだ。君の言うとうり皇子だよ?」


 なぜ彼女が俺の事を第5皇子のライトと間違えたのだろうか。俺らは他の貴族に顔を出したことないし、俺らが双子だと知っているならなぜ俺の可能性を100%捨ててライトだと勘違いしたのか。訳が分からないし、彼女からはよく分からない空気を感じる。


「あー、その悪かったな。他を当たるとするよ」

「な――?いや、――――の可能性も―――。でも―――が―――い。そもそも、―――、――――――――?」


 彼女は1人でブツブツ喋りながら困惑の顔をしている。どうしたんだ?


主人マスター、彼女を鑑定してください』

『え、なんで』

『謎が分かります』

『あ、あぁわかったよ。鑑定』



 ッ!え、は?へっ!?まじか。てか、この世界ってスキルとかあるのか!?


※あとがき

物語の進め方考える必要があるので更新出来なくなる日があるのでその時は、「ああ、なやんでるんだな」って思っといてください笑

ほんとにごめんなさい

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