第32話 遊びにいかない?
GW真っ只中。
学校もなく、屋敷の全使用人も休暇を頂きそれぞれ里帰りや小旅行に出かけ、静かな屋敷で過ごすここ数日。
半年間出来てなかった読書を楽しんでいた。
キリがいい所まで読み進め、一息着いたところでスマホにメッセージが届いているのに気がついた。
『真壁さん!こんにちは!5日にゆーちゃんとまなちゃんと新しく出来たアウトレットに行くのだけど、よかったら真壁さんも一緒どうかな?』
メッセージアプリでも元気な様子が伺える大船さんからの遊びのお誘いだった。
『5日だね?私も特に予定入ってないから大丈夫だよ』
やや時間が空いてからの返信だったがすぐに返事が来た。
『本当!?やったね!お互い送ってもらうだろうし、当日はアウトレットの中央広場に10時に集合になってるからよろしくね!』
『ありがとう、こちらこそよろしくね』
トントン拍子に話が進み気がついたら3人のグループチャットの部屋に招待が来ていた。
<『真壁さんも来れるんだ!よろしくね』
<『どうせ花音ちゃんが一方的にさそったんでしょ?』
『ちゃんと予定ないから大丈夫だよ』>
<『私そんな強引に誘ってないよーっ!』
しばらくメッセージのやりとりが交わされ、当日の話が進んでいく。
行こうとしているアウトレットもついこの間オープンしたばかりで色々なお店が軒を連ねているのがホームページを見てわかる。
「楽しみかも……」
こうやってメッセージのやり取りするだけで楽しくて思わず独り言。
「何が楽しみなの?」
「美紀さん!?えっと。その……」
突然背後から美紀さんが声をかけてくる。
ちょっとびっくりしたけど気にせずに美紀さんは続けた。
「いいね、麻琴ちゃんのその楽しそうな顔。お姉さん好きだよ。で、何があったの?」
「えっと、学校の友達と遊びに行くことになって……」
「へー良いじゃん!友達は一生の宝だからね、大切にしなよ」
美紀さんは楽しそうにそう言う。
「美紀さんはお友達多いんですか?」
「悲しいことに大人になるにつれて友達って少なくなるものなのよ。まぁ、私は人並み程度にいるくらいかな?けど、大人になってからそんな、長く付き合っていける友達が必要になる事もあるんだよ」
美紀さんはそう言って微笑んでいた。
そうゆうものなのかと思った。
人付き合い……私は苦手だけど美紀さんの言葉を聞いて、大船さん達ともっと話をしてみようと思えた気がした。
今度のお出かけは少し頑張ってみよう。
みんなの好みや楽しい事を共有して楽しめたら良いなって。
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