第20話 お買い物①
都心部から少し郊外にある佐久間家から、車で約30分程出たところにある大型の商業施設に美紀さんと来ていた。
出かける時、私にも専属の運転手さんと車を用意された時はクラクラした。
そして、当然の如く佐久間グループが関わっているあたり、私はまたあの家の大きさを実感する。
ファッションとコスメが集まっている階を2人で見回る。
「とりあえずは下着類からかな、その後に部屋着やら普段着を見てみようか」
「そうですね、服を買うの久しぶりですし、良くわからないので美紀さんにお任せします。」
「本当に?じゃあお姉さん張り切って麻琴ちゃんに似合うの選んじゃうっ!」
美紀さんは楽しそうに私の手を引いて目的のお店に歩いて行く。
そうしてやってきたのはレディースファッションのお店『
そして、当然の如く美津子さんが社長を務めている。
「ま、下着って言ったらここになるかな。デザイン良いし、着け心地いいし、ブランドだからちょち高いけど。そもそも麻琴ちゃんがここ以外の着けてたら私が何言われるかわかりかねるし…ま、今日の麻琴ちゃんの分はちゃんと祥太郎様に話をしておいたから家族カードを借りて来ました!」
今このお姉さんしれっとすごい事言った!
祥太郎さん私の事になるとお財布の紐ゆるゆるになるの怖い…。
気を取り直して店内に入る。
レディースファッションという名のオブラートに包まれた店内は煌びやかな下着の森だった。
右を見ても左を見ても色とりどりの下着が視界に映る。
なんだか少し恥ずかしい気もする。
「とりあえず、採寸してもらおうか、私は何か似合いそうなもの選んでおいてあげる。」
「採寸…そう、ですよね…」
採寸なんて五十嵐に拾われた時以来していないし、あの時はまだ気にならない程度の大きさしか無かったから今回ばかりは少し緊張する。
「すみません、この子の採寸お願いしたいんですけど」
「いらっしゃいませ。かしこまりました、それではあちらの試着室にご案内いたします。」
「ほら、麻琴ちゃんいってらっしゃい」
美紀さんに背中を押されて、店員さんに着いていき、試着室に入る。
「それでは採寸の方させていただきますね、黒田です。」
「はい…よろしくお願いします…」
「そうしましたら、本来は服の上からの採寸でも大丈夫なのですが、お客様初めてという事なので、上だけ全部脱ぎましょうか。」
言われるままに私は上半身裸になった。
「お客様結構大きいですね、着痩せするタイプって感じですね、今着けているブラのサイズが合ってないので少し形が崩れていますね。
でも、大丈夫ですよきちんとあってるサイズの物をつける事によって綺麗で整った形にする事が出来るので心配しないでくださいね。」
そう言って店員さんは採寸を進めていく。
まず、下から測っていくらしく手が脇腹に触れてこそばゆい。
次に上を測る、サイズが分かったらしく店員さんは備え付けのタンスからブラを取り出した。
「それではこちら着けてみてください。」
私はいつも通りつけてみた、すると
「後ろから失礼致しますね、こうやって着ける時に脇から寄せ集め上げるのがポイントなんですよ。」
店員さんはそう言いながら結構な力で脇から胸へ手を動かしていく
「はい、できました。少しキツいとかありますか?」
「えっと…若干…」
「そしたらもう一段サイズ上げますね」
新しいサイズの物をまた着け直す。
今度は適度なフィット感。改めて今まであってなかった事を実感する着け心地だ。
「今度はちょうど良さそうですね、ついでにウエストと、ヒップも計りましょうか。」
そうしてお腹とお尻も測ってもらい服を着る。
「こちらがお客様のサイズですね。こちらを参考にお好きなデザインの物を選んでみて下さい。お疲れ様でした。」
「ありがとうございます。」
試着室を出て店内を物色している美紀さんと合流する。
「麻琴ちゃんおかえり、どうだった?」
「えと、これを参考に選んでくださいと言われて」
「え”っ…麻琴ちゃんトップ95もあんの…マジか。アンダーが70だから…Gカップ!?」
G!?そんなに大きかったのかこの胸は。
「行ってもEかFぐらいかなーなんて思いながら選んでたけどGか、大丈夫、可愛いのあるある。」
そうして美紀さんと物色を始める。
「麻琴ちゃん好きな色とかある?」
「えっと、赤とかオレンジとか暖色系?の色が好きです。」
「なるほどね、了解」
そう言って美紀さんはサイズのあったデザインのブラを選んでいく。
時折、私の好みを聞きながら可愛いデザインの物を選んでくれた。
赤いレースの色気のある物
白地にピンクの刺繍可愛い物
水色に白とピンクの刺繍の少し幼なめの物
オレンジ単色の少し大人びて見える物
合計4着を選んで購入した。
上下で1着1万円だったのは少し驚いたが、サイズが大きくなると高くなるのは仕方ない事らしい。
そうして、下着選びは幕を閉じた。
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