第3話 突然の別れ

それは、ある日突然に知らされた。


文の家からの知らせであった。。。



私、中筒は信じられなかった。


つい、昨日まで私の隣で笑っていた友は、もう居ないと。。。


いったい、どう言う事なのか。。


理由もわからないまま、文の屋敷を尋ねると、そこには、厳格な文の父と母親がいた。母親は泣いていたが、父は怒りを顕にしているかのようだった。


そして、文の部屋に通された私が目にしたのは、彼がしたためたものだった。自分の気持ちが書かれており、


中には私宛のものも。


彼が、最後に残した物は、愛した姫を置いて還る事を侘びだ物と、幸せを願う物。


そして、私宛には、共に約束した夢が、叶えられず、申しわけないと言う内容だった。。。


一体何がどうしたと言うのか?


母親からの話では、愛した方とは違う姫との婚姻の話があり、文はその婚姻を断るよう、父親に申し出たが、叶わず、家と家とでも言うような、理由から無理やり婚姻を結ばされる事になったと。


彼女以外は絶対に愛さないと父親に話すものの、かえって父からは、激高を受ける事に。。。


この婚姻には、ある目論見があったようで、より位の高い地位にいる神の娘を来てもらうにあたり、泊がつくからと。。。


私は愕然とする。


その父にではなく、友に対してだ。


なせだ?


なぜ、そのような方法しかなかったのか?


共に学んだ日々はなんなのか。。。


こんな、間違っている父親ですら、導き、正す事が、神の道ではないのか?


私は泣きながら、亡き友に何度も何度も問うた。。。


なぜだ?、、、愛した女性を不幸にし、何が残るのだと。。。


身勝手すぎる、友に腹ただしくもあるくらいだった。


その、間違った友の残した事こそ、私がある事に気が付くきっかけとなった。


そう、感情のコントロールである。


感情的になるがゆえに、判断を間違う。ならば、初めから持たぬが、冷静に物を見る事ができ、間違わない。


私は友の間違った事を許す事ができず、ずっと生きてきたのかもしれない。



あれから、もう、青年からそうだな、人で言えば、おじいさんだ。


今なら、友に言ってやれるだろう。



愛するとは、こんなにも素晴らしき事だと。


神としての道を踏み間違わねば、幾らでも、変えて行けると。



そなたの成し得なかった分、私が叶えてやろう。。。



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中筒様の生い立ち 中筒ユリナ @ariosu-siva

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