第21話 初めての異世界交流②

(感動の再会って感じかな?)


 基地の中で特に目立つ6つの塔が存在し


 一つは基地の中央に建ち、それを囲うように5つの塔が並んでいる。


 そして俺がやって来たのはその一つの塔だ。


 そして守衛の人たちに案内され、一際豪華な扉の部屋へ入れば


「Loeiut!」


 上品で洗練されたシックな装いに、どこか軍人のような制服を着た俺から見ても大柄な金髪の女性


 豊かな胸を押し潰さんばかりに付けられた勲章や階級章と思われるバッジの数々


 見た目だけで女傑、と感じる意志の強そうな人物は昨日助けた赤髪の少女とハグをして再会の喜びを分かち合っていた。


(塔の見た目といい、国ごとで分かれているのかな?)


 基地から突き出る巨大な6つの塔


 どれもが建築様式というか、全部同じ塔ではあるんだけど形が若干違う


 この基地には外壁と内壁、二重の囲いがあって


 中央に存在する一番大きな塔の周辺、基地の内壁側に存在する建物は統一感のある感じがするんだけど


 内壁の外側の外周部分に存在する建物は場所によって様式違う


 この部屋へ案内される間、様々な人種の人たちが居たから、この場所は様々な文化を持った人達が集まる場所なのかもしれない


 そして、同じ文化の人同士集まって、このような万国博覧会のようなちぐはぐな見た目になっていると思われる。


 そして俺が案内された場所はその6つの塔の内のひとつ、どこかヨーロッパの古い建築物を想像させるような、目が痛くなりそうなほど細やかな装飾が印象的な塔の最上階だ。


 壮麗な外見の建物に、美しくも落ち着いた雰囲気の内装


 半ばサバイバル生活をしてきた自分とは正反対の空間だ。


(すっごい高そうな椅子)


 暗い茶色のニスのような塗料で艶やかな表面が美しく、支柱にすら曲線を描いた装飾が施され、これまで見てきた文化の成熟さの違いを感じ取れる。


 美術品に興味がない自分でも、多分コレは高いやつだ。そう思わずにいられない調度品が部屋のそこかしらに配置され


 現状俺は、運んできたお仲間達の遺品が入った荷物が置けないでいた。


 この袋、デカいし結構重量あるし、もし置いた際に何か部屋の物を壊して弁償しろ!なんて言われたら支払えないし・・・・・・


 まずお金持ってないしね


 万が一壊してしまったら、今手持ちにある再生薬で許してくれないかな?


 そんな事を思いながら、金髪美女と赤髪美少女の百合百合しい感動の再会シーンを眺めていたら


 部屋にいかにも頭が良さそうな男性が入ってきた。


 その人は今俺の目の前に居る二人とは少し違った顔立ちをしていて


 どこか村の人と似たような雰囲気を感じた。


(おー、モノクルが似合う人初めて見た)


 その男性の右目には薄い青色のレンズが入った片眼鏡が


 深緑を感じさせる濃い緑色のローブを着て、手には分厚い古びた本を持ち、その表情は如何にも知性と優しさを感じるイケメンだ。


 うーん、コレは勝てない


 圧倒的イケメン力に思わず気圧されそうになるが、俺の目の前にいる女性二人は入室してきた男性を無視していた。


 男性側も特に気にすることはなく、二人の再会を見守っている。






「はじめまして、私は考古学者のラロッソ・ローゼンといいます―――――貴方様のお名前は?」

「おぉ、俺はソラ・・・・・・あんたは俺の言葉が分かるのか」

「はい、私は古代魔法言語を専門に研究しているので多少は話せる自信があります」

「古代魔法言語?」

「貴方様と私が今話している言葉ですね、アーシェ様も貴方様との通訳の為に私を呼んだのでしょう」


 アーシェ様?と一瞬誰だと思ったけど、ラロッソさんの目線を見る限り、そのアーシェという人物はまだ金髪の女性と包容を交わしている俺が助けた赤髪の少女の名前らしい


 いや、まだ再会の喜びのシーンは終わらないんかい


 どちらも美人さんだから目の保養になるんだけどさ






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