繋がる想い
秋になって紅葉が道を彩る中、俺は家で灰色の生活を送っていた
「死にそう」
そう、風邪を引いたのだ
この医療が発展した時代において未だに特効薬が生み出されていない難病
「怠すぎて飯食う気にもなんねぇよ」
俺がぼやいていた時、チャイムが鳴った
誰かと思ってドアを開けると、
「ヤッホー!、死んでた?」
隣の虎が目の前にいた
「頼まれたお見舞い行ってきたよ!友達の人元気そうだったし、良かったね!」
そうだった。
俺には入院している友達がいる。
いつもこの時期に見舞いに行くのだが、体調が死んでいたので虎女に頼んだ事も忘れていた。
どっちが病人なのかわからんな
「この優しい私が看病に来てあげたよ、感謝しな」
虎女が冗談を言いながらご飯を作ってる
あの虎女がご飯を作っているのだ。
俺は夢でも見てるのか?
「なぁたいが、何作ってるん?」
「カップラーメン」
「普通粥じゃね?」
「焦がすよ?」
どうやら夢ではないらしい。
「この私が早起きして買ってきたんだから許して」
普段なら文句の一つも言うのだが、今はその気力もなく
「ありがとう、助かる」
素直に気持ちが言えた
「んふふ〜、素直じゃん」
笑いながらカップラーメンを持ってくる姿が妙に可愛く見えた
どうやら重症のようだ
こいつ、BIGを買ってきやがった
腹一杯になった俺は急に眠気に襲われてまた横になった
「よく食べました!ゆっくり休んでな」
そう言って離れようとする虎女の裾を俺は薄れる意識の中掴んだ
「ーーー------」
自分でも何を言ったのかわからない
「安心して、私はずっと隣にいるよ」
なんとか聞き取れたたいがの声を落ちる意識の中俺は抱きしめた
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