第51話 魔王の憂鬱
一度自分達の村に帰った魔王達は他の魔王や村人から優秀な者を厳選していた
(ふむ…九十四人か…どうするかな~取り敢えず魔王達と若い者…やる気の有る者…実力は関係無いとしても…)
「それにしても随分集まったな…ここから選ぶのは難しいな~まぁ他の魔王に丸投げ…されたのか~どうするかな…」
怠慢以外の魔王達はすでにナビを貰ってエリックの施設へ向かって行った
「……取り敢えず若い者から優先的に選出して~村の戦力を保ちつつ独断と偏見で選ぶから文句は無しで頼むぞ?」
何だかんだ面倒見の良い怠慢が他の魔王の代わりに問題が起きない様に選出をして選ばれた人達はナビを貰って各々エリックの施設へ向かった
「おーい!ちゃんと力を合わせて行けよ!助け合いが大事だからな!?道から外れるなよ?」
「魔王様も向かうのですか?」
「そうじゃの~一通りやる事も終えたし向かうかの~そもそもワシが一番に向かう予定だったのに…」
「まぁ他の方によく仕事を押し付けられてますし…私達からすれば何時もの事でしたよ?」
「…まぁ留守は頼むぞ?気を取り直して行ってくるぞ?」
「はい、魔王様が留守なのは何時もの事ですから問題は無いですよ?ですので気にしないで頑張って下さいよ?」
「…主も言うの~まぁ頑張って来るぞ?ではの~」
「私は二番目の選考ですから速く代わって下さいね?」
「解っているわい!最短で終わらせて帰って見せるわ!」
他の人から送れる事半日、怠慢はエリックの施設へ向かって行った
「…ふ~やっと着いたか、それにしてもエリックが作った道の安全性は凄いの~一度も魔物が現れなかったからの~これなら他の者も無事に着いた事じゃろうて…ではエリックに挨拶と報告を…」[必要ありません]「相変わらずナビはワシに厳しくない?いや、挨拶は必要だろ?」
[マスターは今、休憩中ですので無駄な事に時間を使えません]
「お~い!エリックは居るか~?」
[本当に人の話を聞かない]
「うん?[マスターは忙しいので私が対応します]ナビが?いやいや、エリックに連れて来た新しい生徒をな?紹介しないとかと…[貴方にマスターが直接とか無理ですよ?忙しいので]え?エリックが忙しい?そんな~まぁナビから軽く紹介してくれるかい?……[はあ?貴方の頼みを私が?]いやいやそこを何とか~……[まぁ、マスターの頼みですから仕方がないですかね]お願いします!」
ナビとのやり取りを終えた魔王は施設へと向かった
「…相変わらずデカイ施設じゃの~」
[貴方は何時までそのような口調を続けるのですか?馬鹿みたいですよ?]
「…まぁもう止めても良いけどね?ほら俺のアイデンティティーがなくなるからさ~だから止めないのじゃ」
[貴方のどうでも良い特徴は興味がないので速く検査室へ行って下さい]
「…辛辣じゃの~流石に泣くぞ?」
[貴方の頭に直接的に施設の地図を表示しますので向かって下さい]
「……はぃ……」
ナビに言われてからすぐに頭に浮かんだ地図を頼りに魔王は検査室へ向かって歩いた
「此処では何をするのじゃ?」
[この施設ではどの分野を鍛えたら良いかを調べて効率の良いトレーニングメニューを決めます]
「ふむ…ちなみにメニューの変更は可能なのかの?」[異議は認めません、これはマスターの決断です]
「うむ…解ったのじゃ…調べてくれ」不満げな顔で検査を促す魔王
[不満げですね…まあ良いでしょう、貴方に構う時間も勿体無いですし……はぁ、何だか複雑な気分ですね……まさか貴方の様な方が……]
「ど…どうしたのじゃ?何か不具合でも?」ナビの様子に不安になる魔王
[いえ…問題は無いのですが…まぁ仕方がないですね…結論だけ伝えますが貴方は錬金術師の才能が在るそうですのでメインは錬金術で決まりました後のサブは勝手に決めて下さい]
「へ?錬金術師??エリックと同じ??ワシの才能が???」
[不本意ながらそうですので錬金術師用の部屋まで向かって下さい]
「待て待て、メインとかサブとか錬金術師とか色々聞きたい事が在るのだけど??」
[四の五の言わずに地図に従って向かいなさい!]
「!?了解なのじゃ~」ナビに叱られて急いで錬金術師用の部屋まで向かった魔王
「此処かの?」部屋の前まで辿り着けた魔王は扉の前で立ち止まって居た
[良いから入りなさい!]
「そう急かすな~新しい事には中々踏ん切りがの?」
[そんな歳ですか?良いから入りなさい!中には他に二人居ますから、ちゃんとして下さいね?]
「……二人?ワシを入れても三人?錬金術とはそこまで限られた物なのか?」疑問を口に出しながら部屋へと入った魔王
「失礼するぞ?」
中には広い空間に机が三席在り、壁の方はびっしりと棚が設置されて中には見た事も無いような植物や魔物の素材が入っていた
「あ、魔王様~お疲れ様です~今からは同じ錬金術師の仲間ですね~よろしくです~(笑)」少し間延びした感じの女性が魔王に挨拶をした
「こら、ダメだろ?仮にも魔王様にフランク過ぎないか?お疲れ様です魔王様、これからよろしくお願いいたします」キリッとした雰囲気の女性が間延びした女性を注意してから魔王に挨拶をした
「うむ、よろしく頼むぞ?」少し戸惑いながらも返事をした魔王
「え~ナビが言ってたじゃん、魔王とか気にしないで良いって~私たちの方が先に勉強してるし~センパイだよ~(笑)」
「まぁそうだけど…」「ナビの言う事を聞けないの~?」「いや、そんな事は無いぞ!ナビの方が大切だ!」「だよね~(笑)」
[さあ、授業中ですよ?私語は慎みましょう魔王は空いている席に着いて今から始める様に]
「…了解なのじゃ…」席に着いた魔王
[では今回は治療薬の精製から始めます作り方は頭に流しますのでやってみて下さい、解らない事は他の方に聞いて下さい?]
「…解ったのじゃ…」(うお、本当に頭にやり方が浮かんで来たぞ…まぁ何となく解るかな…やってみるか…)
「そうじゃ、二人の事は何と呼べば良いのじゃ?」
「ワタシは~リリと名乗ってます~」
「私の事はララでお願いします」
「ふむ、リリとララじゃな?ならワシは怠慢と呼んでくれ」
「解りました、よろしくお願いしますね?解らない事は聞いて下さい」
「ワタシも解ったよ~まぁどちらかは多分居ると思うけど~なるべくナビに聞かないようにね~?いない時は仕方がないけど~」
「?ナビに聞いたらなぜ駄目なのじゃ?別にナビに聞いても良いと思うのじゃが??」
「まぁ~理由はですね~簡単ですよ?良い事をするとポイントが貯まって~ご飯にデザートが付きます!」
「へ?それだけ?」
「違いますよ、ナビの話では人に教える事で自分も学べるからと言っていました、ですので成るべく聞いて下さいね?」リリの説明を正しながら怠慢に説明するララ
「そういう事なら解ったのじゃ!ワシにも何か在れば聞いてくれよ?まぁまだ始めてすらいないけど…」
三人で談笑しながら各々課題に取り掛かる所を見守るナビ
[まぁこの方達がマスターの域まで行くのに人生を何回分使うのですかね?成長が楽しみです……もし上手く行けば……私の夢が叶う……]
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