第49話 ティアの日常

 勉強用の施設で朝を迎えたティアはベッドの上で呆けていた

 [早く起きて下さい!顔を洗って!食堂へ行きますよ?]

 「…も…もう少し寝てたいです…」静かに布団に潜るティア

 [駄目ですよ?規則正しく生活をしてもらわないと…マスターやマーリンに言い付けますよ?]

 「!?それは駄目!!起きますよ~」

 [解れば良いのですよ、ほら顔を洗って下さい]

 「は~い」ゆっくりとベッドから起き上がったティアは顔を洗いに行った


 「…まったく~最近のナビはすぐマーリンやエリックさんに告げ口しようとするんだから~」

 [それは貴女がすぐに動かないからですよ?]

 「まぁ…そうですが~」

 [そんな事より食事に行きますよ?マーリンが食堂で待ってますよ?]

 「!?大変だ~マーリンに怒られる~では食堂へ行きますか~」慌てて身支度を終わらせたティアは急いで食堂へ向かった


 食堂へ着いたティアはマーリンを探しながら中央に有る花を見る為に近づいた

 「それにしてもこの花は良い匂いですよね~」

 [匂いではなく香りと言ってください、折角マスターがわざわざ私の為にケースを作り直してくれたのに…]

 「は~い(笑)ごめんなさい~あ!?マーリンが居た~ごめんね~待たせた?」

 「…まぁティアが遅れるのは何時もの事だから怒りはしないけど…だらしないわよ?」

 「…ごめんなさい…どうしても朝は弱くて~」

 「まぁ仕方がないわね~ほら、ご飯にするわよ?」

 「は~い、ナビ?今日のオススメでお願いしますね?」

 「私も同じものでよろしく」

 [了解です、少々お待ち下さい]

 ナビに朝食を頼んでしばらく談笑する二人の元へ食事が運ばれて来た


 「お待たせ致しました、和食定食がマーリンで洋食定食がティア分に成ります、ゆっくりお召し上がりくださいね?」

 朝食を置いて立ち去ろうとするエリックに慌てて声を掛けるマーリンとティア

 「!?なんで??」「エリックさん!久しぶりなのですから一緒に食べましょうよ~」

 「あ~ティアには悪いんだけど俺はもう食べたからさ~流石にご飯は食べれないよ(笑)ナビ?コーヒーを一杯貰えるかな?」[お待たせ致しました、コーヒーです]「お?速いな~ありがとう」

 「いやいや、速すぎでしょ!」[マスターの要望を先に準備出来るからパートナーなのですよ?]

 「……く…正論…」

 「まあまあ、そんな事よりどうだい?修行は進んでるかな?」

 「私はまあまあよ?やっと新しい装備にも馴れてきたし、体術も魔術も組み合わせが多いから大変だけどね?」

 「そっか~マーリンは凄いな~ちゃんとした指輪を全部揃えたのは最近だろ?ナビが教えてくれたからさ~で…使えるのか…俺には無理だな…で?ティアはどう?」

 「…モグモグ……~私はですね~結界に色々アレンジを加えてますよ~熱を持たせたり水にしたり弾力とか~最近は打撃だけ効かない結界を造りました(笑)」(頑張りましたからね~きっとエリックさんは褒めてくれるはず…)

 「……凄いな~流石に予想以上だな~二人とも頑張ったな~で?いつ頃試練を終えるの?もうそろそろこの施設では学べないだろ?」

 少し落ち込みながら次の予定を確認するエリック

 「そうね~もう少し体術の型を覚えてからかな?ティアは?」

 「私ですか?そうですね~近い内に試練の塔へ籠ろうとは思いますけど…最後のゴーレムさんはまだキツいと思いますよ?」

 「?そうかな~?まぁ決定力の問題かな?なら…ナビに…でも……ゴーレムに確認するか?……」

 考え込んでしまったエリック

 「?エリックさん??」

 「……でも……いや……装備か?…」

 「エリックさん!!」

 「!?どうした?」

 「どうした?じゃないですよ!考えるのは後にしてお話をしましょう、エリックさんは最近何をしていたのですか?」

 「?俺か~?最近は…ゴーレムと戦ったりこの施設用の魔物の素材を納品したり~後は…ナビの~まぁそれは良いや(笑)まぁそんな感じだよ?代わり映えしない毎日だよ(笑)」

 (ナビの?少し気になりますね~)

 「ナビがどうしたのですか?」

 「まぁ近い内に完成するからお楽しみに~(笑)」

 「エリックさんがやる事なんだし悪い事ではないでしょ?気にしないの、それよりも速く食べたら?そろそろ行くわよ?」

 「お?そんなに話し込んだか?ごめんな(笑)俺も行くわ~では、頑張れよ」立ち上がり食堂から出て行くエリック

 「は~い、エリックさんも頑張って下さいね~」(エリックさん…元気が無かったな…大丈夫かな…)

 「さぁ~行きますか~頑張りますよ!」

 「あら?食べ終わったのね?相変わらず食べるのが速いわね(笑)さあ、行くわよ?また後でね?」

 「は~い、次に会うのは施設の卒業後ですね?お互いに頑張りましょう!」

 「そうね…会えるとしたら試練の塔かしら?私は此方だから行くわね?」

 「私は向こうらしいので、ではでは~また後で~」(さあ、速くクリアしますよ~)

 [その為には速く目的地に向かえるように成りましょう]

 「ごめんなさい~ナビさん助けて~」


 ナビに叱られながら目的の部屋まで辿り着けたティアは修練に明け暮れ試練の塔攻略に向けてナビと打ち合わせを始めました


 「頑張りますよ~待ってて下さいね、エリックさん」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る