第48話 エリックの日常

 その頃、エリックは自身の家で寛いでいた


 「…ふ~何だかんだで色々と順調だし~暇だな~素材をナビに納品したし~一通り物も創ったし~平和だね(笑)」部屋のベッドで寝転んで休んでいるエリック


 「お~い!エリックは居るか~?」


 「…怠慢の魔王?……ナビ?魔王に要件を聞いて貰える?」[了解しました]


 「うん?ナビが?いやいや、エリックに連れて来た新しい生徒をな?紹介しないとかと…え?エリックが忙しい?そんな~まぁナビから軽く紹介してくれるかい?……いやいやそこを何とか~……お願いします!」


 家の外から怠慢の魔王の独り言が虚しく響いた


 [マスター、怠慢の要件は村から連れて来た人の紹介だと言って居ましたので私が適当に済ませました]

 「お~ありがとうナビ~一応で良いからデータをまとめて貰える?暇な時に見るからさ(笑)」[既にまとめていますので必要なら声を掛けて下さい]

 「流石はナビだね~優秀なパートナーだわ(笑)」

 […そんな…最愛のパートナーだなんて…]

 「うん?どうした?何か有った?」

 [いえ、何も問題は無いですよ?また何か有ればお呼びください]

 「ありがとナビ……さて、何か始めるかな?流石にゴロゴロしていてもね~取り敢えず出掛けるかな?」


 ベッドから起き上がったエリックは自身の施設の確認をして不備が無いか確認しながら外へと向かった

 「さてさて、特に問題も無かったし~どうするかな~修行も楽しいけど行き詰まりだしな~気晴らしに勉強用の施設に行くかな?それとも試練の方に行くかな~まぁ空いてる方に行くかな~ナビ?オススメは?」 [試練の方が空いてます、私のオススメとしては最終試練の再挑戦でどうでしょうか?]


 「そうだね~まぁ修行の成果を確認するかな~?また何かのアイデアが出るかもだしね~(笑)なら最終試練で行きますか(笑)」


 この後の方針を決めたエリックは試練の塔に向かって歩いた


 「ナビ?システムにアクセスして最上階に行けるようにしてくれる?」[すでに出来ていますので普通にお入り下さい]

 「お~仕事が速いね~流石だね~ありがとう」


 ナビとのやり取りを終わらせたエリックは入り口から普通に入って行った


 「…あ~居た居た~ゴーレム?元気~リベンジに来たよ?」


 部屋の奥で椅子に座り目を閉じているエリックと同じ姿のゴーレムは静かに目を開いた

 「……待っていたよ挑戦者よ、最後の試練で在るこの私を~て、また来たの?お前も暇では無いだろうに~まぁ俺は暇だったから良いけどね(笑)」

 「…まったく~相変わらず魔王みたいな雰囲気を出して~まぁ仕方がないね~俺だしね(笑)今回の件はナビに聞いてる?」

 「うん?いや、まだだよ?ちょっと待ってね?…………了解~確認したよ?まぁ実力を試すには確かに良いかもね~此処なら死なないしね(笑)」

 「そうだね~だから本気で行くよ?今回は魔力も減ってないし(笑)」

 「了解~何時でも良いよ~」


 立ち上がったゴーレムは部屋の真ん中で立ち両手に剣を取り出した


 「まぁ俺は大剣で行くか~マジックリングも付けるかな(笑)では、行くよ~?」


 エリックもゴーレムの所へ歩きながら手には大剣を出し、指に指輪を付けゴーレムの前で止まった


 [それでは今回も私ナビが解説及び審判を担当します、また今回の戦闘もデータを保存しますので参考資料にお使い下さい……では、開始!]


 ナビの号令と共に動き出したエリックとゴーレムは激しい連撃を繰り出した


 [さあ、今回も始まりましたマスターによる模擬戦です、私ナビがなるべく詳しく解説していきます…最初の立会いはマスターの上段からの切り落としにゴーレムがクロスで受けてからの左右非対称の流れるような連撃にマスターが障壁で防ぎながらの大剣による激しい一撃と互いに武器の性能を最大限に活かした立ち回り…これはゴーレムが少し劣勢ですね、ゴーレムはマスターの攻撃を避けると障壁による反射を使われる可能性が高い為すべて受けなくてはいけないのが厄介みたいです…ここでバックステップで距離を取ったゴーレムが前回同様炎の竜での攻撃から水の竜を追加で発動し更に魔法の影から隙を伺うゴーレム…マスターは大剣に魔力を流し炎の竜を一太刀し水の竜も斬撃を飛ばして破壊、隠れていたゴーレムに障壁を使った連撃で追い込み、最後は七色に輝かせた大剣での一撃を放ち終了……ゴーレムの機能が停止しましたので、今回はマスターの圧勝です!おめでとうございます]


 最後の一撃で魔力を使い果たし限界が来たのかエリックはその場で座り込んだ

 「いや~キツいな(笑)まぁ何とか形には成ったかな?どうだった?ナビ?」

 [……格好良かった……]

 「?ナビ?どうだった?」立ち上がりゴーレムを回収しながらもう一度ナビに感想を聞いたエリック

 [前回よりも数段強く成ったのでは無いですか?]

 ゴーレムを椅子に戻してから自分が座る椅子を出して本格的に休憩を取ったエリック

 「それはね~でも魔力も使い切ったしね~魔力を流しながら戦うのは…まぁこれが俺の限界かな~」

 […十分だと思いますが…そもそもこれ以上が存在するのですか?]

 「そうだね~多分だけど…ティアとマーリンなら辿り着けるかな~二人には俺とは違って才能が有るからさ(笑)天才に凡才は勝てないのが世の常だよ(笑)」

 [……そうですか……マスターも天才に含まれると私は思います]

 「嬉しい事を言うね~お世辞でも嬉しいよ(笑)慰めてくれてありがとうね?」

 [いえ、本心なのですが…]「ふ~やっと動ける位には回復したよ~で?何の話?」ナビの声を遮りゴーレムがエリックの横へ歩いて来た

 「お~お疲れ~ほら椅子を出したから座りなよ(笑)完全回復したら次の模擬戦だ(笑)」

 「まだやるのかよ~もう良いよ(笑)勝てないし~」

 「まあまあ、次は大剣無しの模擬戦だ(笑)まぁマーリン用の資料かな?」

 「まぁそれなら仕方がないね~了解(笑)」

 「そう言えばナビに聞きたかった事が有るんだけど~」[何でも聞いてください]「食い付きが速いな~(笑)ナビも身体が欲しいかい?」

 […身体ですか?それはゴーレムみたいにですか?]

 「ゴーレムとは少し違うかな~ほらホムンクルス?人造人間?みたいなやつだよ(笑)戦闘力は…まぁ鍛えれば強くなるかな?欲しい?」

 [それは…何処まで人間に近いのですか?]

 「何処まで?ほぼ人間だよ?だから管理も大変だしね~食事に排泄に運動に睡眠にやる事は一杯在るからね~まぁ要らないなら良いけどね?」

 […マスターと同じ人間…同じ…パートナー…]

 「?ナビ?どうする?」

 [お願いします!私に身体を下さい!]

 「良いよ~任された(笑)まぁ少し時間は貰うけど良い?」[何時までも待ちます]

 「了解~(笑)では作業に入るわ(笑)」


 エリックは今後の目標を手に入れ錬金術師としての高みを意図せずに目指すのだった…


 […不老の次は生命の生成…マスターは神にでも成るのですか…?]

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