第47話 その頃のフリス③

 「…そんな…セバスさんでも無理だなんて…」

 落胆するエドガードの前では手錠を前に出す国王とフリスの姿が在った


 「速くしろ!何時まで待たせるんだ!」

 「…何を勘違いしておる?…無罪なのはワシだけでお主は色々と調べなきゃなのだぞ?」

 「へ?どういう事だよ!知るかよ!俺も解放しろ!」

 「…あ~やっぱり上手く行きませんね~まぁ仕方がないですね~さぁ国王を解放して下さい、その代わり勇者は徹底的に余罪を調べましょうか~」

 「そうじゃな、何せワシを騙して居たのだからの~それにしても騙されたわい…聖女と魔女には騙されていたとはいえ悪い事をしたかもの~」

 「てめえ!俺を裏切ったな!」

 「?何を言う?ワシの方が裏切られたわい…戦績を偽り実力も嘘…挙げ句に魔女と聖女の二人との関係性も嘘…騙されたの~それで実の息子に訴えられて…踏んだり蹴ったりだわい」

 手錠を外して貰い大きく延びをしてからエドガードの方へ向かった国王

 「で?ワシを訴えた事に付いてどう責任を取るのじゃ?うん?ワシは無罪に成ったぞ?」

 「僕は…周りが何と言おうと貴方が許せません!なので…今回の責任を取り…僕は…王位継承権を放棄します!もう国政には関わりません!今から僕はエドガード王子では無く、エドとして生きて行きます!今まで有り難うございました!失礼しました」

 大声で王位継承権を放棄して頭を下げてから部屋から飛び出したエドガード


 「…ふむ…まぁ妥当かの~ではワシももう行くぞ?」

 「…ええ構いませんよ?まぁ私も行きますが…そうだ、エドガードの今の発言は受理したのですよね?」

 「ふん!あそこまで言ったのじゃから…まぁ頭を下げて謝るなら許すかの~(笑)」

 「それを聞いて安心しました(笑)ではエドを私が貰っても良いですか?」

 「…好きにするがよい…では行くからの~」

 立ち去る国王を見送るフリスは絶望していた


 「では、私も行きますが~勇者の事は任せますよ?そうですね~称号の剥奪と新しいランクを与えて~位ですかね~まぁ適当にお願いしますね?」

 「了解しました、それではお疲れ様です」

 「おい、待ってくれよ…俺の事も助けてくれよ…」

 「?何故私が貴方を助けるのですか?私に得が無いですし…私も貴方を許せませんから…まぁ死なないだけでも儲け物なのでは?では、私はこれで~」

 (さてさてエドを拾いに行きますかね~エリックさんに認められた人だから…得しましたね~(笑))


 「そんな~助けてくれよ~」

 泣くフリスを尻目に部屋から出たセバスはエドを探して街を回り直ぐにエドを見付けた


 「あ~居た居た(笑)探しましたよ?これからどうするのですか?何か考えでも?」

 「…セバスさん…いぇ、特には考えて無いです…あそこまで言ったので戻る事は考えてませんが…冒険者にでも成るかな…」

 「そうですか~では、私の所に来ますか?折角だし私の助手にでも成りますか?」

 「!?良いのですか?助かります、正直どうすれば良いか解らなくて…セバスさんが良ければお世話に成っても良いですか?」

 「勿論(笑)そもそも私の提案ですよ?断る訳が無いですよ?」(さてさてこれでエドの確保は出来ましたね~やる事が多いけど頑張りますかね~(笑))

 「?どうしました?何か有りました?」

 「いえいえ、取り敢えずですが私の事務所まで行きますかね~」

 「了解です!」


 セバスはエドを連れて自身の事務所に向かった…これからの展開を想像しながら…


 (私的には良い流れですね~こんな国に取られるのが嫌だったエドが手に入り~勇者から一通り取り上げて~まぁ国王は仕方がないですね…さて、勇者はどうなるか…楽しみですね~(笑))

 「さぁ入って下さい、まぁ椅子に座りながら今後の話をしましょうか~」

 「はい、失礼します」少し緊張しているエド

 「そう、緊張しないで~では今後の話を始めますか~」「失礼します、コーヒーをお持ちしました」

 「良いタイミングですね~ありがとう……うん、美味しい」

 「頂きます…本当ですね…美味しいです」

 「で?社長?王子を連れて来てどうしました?まさか、国との繋がりを周りに告知するのですか?」

 「おや?貴女にしては情報が遅いですね?この方は既に王位継承権を放棄したので普通の国民ですよ?」

 「はい、ですのでエドとお呼びください」

 「はぁ、何時の話ですかそれは?私に何の情報も入らないなんて…?」

 「つい先程の事ですよ?ほら~私がエドに呼ばれて参加していた議会の場でいきなり決まりましてね?勿体無い人材だから拾って来ました(笑)」

 「…流石に私でもそこまで情報が速くは無いですよ?」

 「そうですか?何時もならかなりの速さなのに?」

 「そもそも、貴方が居るような場で情報を集めても意味が無いでしょ?情報収集は貴方の為にしてる事なのに…まったく…失礼しました」部屋から出て行く女性を見送るエド

 「…怒ってましたよ?良いのですか?」

 「まぁ仕方がないですね~仕事はしっかりする方なのでまぁ大丈夫でしょう(笑)では、この書類に目を通して下さいね?」

 「はい」書類の束に目を通すエド

 「書類を見ながらで良いので聞いて下さいね?これから貴方は私達と鍛練に行きます、そこで一通り鍛えたら戻って経済の勉強ですね~まぁ基本的な事はエリックさんから学んだ筈なので実践的な事を私は教えますね?」

 「よろしくお願いします、所で質問なんですが…何処で鍛えるのですか?正直この辺にはセバスさん達が鍛えれる相手なんて居ないでしょ?まさか!対人戦ですか!?セバスさんとダンブさんが…混ざりたくないな…」

 「?対人戦?いやいや、まさかまさか(笑)」

 「ですよね~」

 「対人戦だとギリギリの戦いが難しいのでね~まぁ場所は魔王城の近くですよ~…そう、近くですよ(笑)」


 数日掛けてエドとセバスは次々と書類の確認や手続きを終わらせて正式に国からエドを解放、ダンブとも連絡を取り合い修練に向かう段取りも終わり出発の時

 「では、行ってきますね?」

 「はい、怪我の無いようお願いしますね?」

 「それは~まぁ善処します(笑)私が留守の時は貴女が私の代わりですからね?好きにしてくださいね?何なら弟を引っ張っても良いですからね(笑)」

 「いえ、私が出来る限り頑張ります…ですからちゃんと帰って来て下さい…」

 「解りましたよ、では行ってきます~さぁ行きますよ?」

 「は~い」 「了解」セバスにエドとダンブが付いて行った


 出発から数時間たった頃休憩を取りながらセバスは笑ってエドに問い掛けた

 「所でエド?あの後元勇者がどうなったか聞きました?(笑)」

 「そんな暇なんて無かったので知りませんね~本当に忙しかった…そもそも忘れてました(笑)」

 「まったく、お前はアイツの所業で王位継承権を放棄したのに…何を考えてるのか…」呆れるダンブ

 「それは~すみません、以後気を付けます…」

 「まあまあ、ダンブも余り責めない(笑)話を戻しますが~まぁ勇者を剥奪されて一応は冒険者に成ったんだけど、ランクをアイツの我儘で上からの挑戦で~次から次と失敗して(笑)確か次は上から五番目位の試験だったかな?まぁ本人の実力がそんなだったから仕方がないですね~(笑)」

 「…良い気味ですね(笑)」

 「まぁ勇者なんて制度は本来要らないからな?」

 「そうですね~エリックさんの話では魔王を討伐する象徴が居ると話が纏まりやすいと…まぁ確かにスムーズでしたが…エリックさんがやれば良かったのに…」

 「まぁセバスの言いたい事は解るが…あの人の事だから何か理由が在ったんだろ?」

 「エリックさん…実は面倒臭いだけだったりして~」「馬鹿が!あのエリックさんがそんな訳が…」

 「まぁ有り得ますね~以外に面倒臭がりでしたからね~さあ、そんな事よりそろそろ行きますよ?次の休憩は魔王城ですよ?頑張りましょう(笑)」

 「そんな~」

 「ほら、行くぞ!走らないと今日中に付くのは難しいぞ!」

 「…だから休憩を取ったのか~解りましたよ~頑張りますよ~」


 こうして三人は魔王城を目指して走り出したのだった厳しい修練の場を目指して

  

  

 

 

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