第43話 その頃のエリック

 マーリン達と別れた後、自分の施設に戻ったエリックは遠隔でナビに連絡を取った


 「ナビ~聞こえますか~?聞こえたら答えて~(笑)」[はい!ナビです、マスター?お呼びですか?]

 「お~聞こえた?遠隔で話が出来るように調節したけど成功だね(笑)」

 […いつの間に?私が気が付かないって…?]

 「うん?さっきの間に(笑)まぁ気にするなよ~」

 […気になりますよ…で?ご用件は何ですか?]

 「そうそう、ナビに聞きたかったんだけど~施設運営で足りない素材は何かないかい?何でも言ってよ(笑)」

 [そうですね~魔物素材の上位が足りないですね…それと食べ物ですかね…]

 「食べ物は此方のをそっちに送るよ~地下を繋げて……出来上がり次第送る……運搬……よし?上手く行ったかな?」

 […速いですね…完璧です、これでティアさんが普通に食事をしても問題無く運営出来ます]

 「了解~なら食料は安心だね(笑)次は素材か~取り敢えずで悪いんだけど…俺のストレージとナビのストレージを術式バイパスで繋いで……うん?難しいな~ならば…ナビに俺のストレージへの接続権限を副次的に与えて……ダンジョンコアなら?…そこからナビに繋いで……出来たかな?ナビ~確認してみて?」

 [了解しました……凄い!これがマスターのストレージですか?私が取り出しても?]

 「おう、試してみて?そうだな~ちょっと待ってよ?……ほら出来た(笑)ストレージにしまったから取ってみて?」

 [了解です……あら?新しく入った物ですよね?花束ですか?]

 「そうだよ(笑)取れるかい?ナビにプレゼントだよ(笑)花瓶もセットで創ったから貰ってよ(笑)」

 [!?ありがとうございます!大切にしますね?何処に飾るか悩みますね…食堂に誰も触れないように囲って…皆に自慢出来ますね……]

 「?ナビ?上手く取れたかな?お~い(笑)どうですか~?」

 [……は!すみません、機能は問題無く使えましたので…ただ私が勝手に取る訳には…]

 「そこは抜かり無く(笑)繋いだ部分は共有機能にしたから互いに渡したくない物はそこに容れない様にすれば問題無く行けるでしょ?」

 [いえ、私の方は問題ないですが…この容量で一部…では私が手を出せる物は使っても良いと言うのですね?]

 「言うのです(笑)じゃあ運営を任せるよ?もし何か問題が起きたら何時でも連絡してね?俺は適当に魔物の素材を回収してくるからさ(笑)修行も兼ねてね~」

 [はい、お任せ下さい!]

 「任せたよ~ではでは行ってきます~」

 [はい、頑張って下さいね?]

 「了解~」

 ナビとのやり取りを終えたエリックは身体に気を纏わせて走り出した


 (久しぶりに本気で走るな~でも…流石にマーリン達に負けるのは悔しいしな~頑張らねば(笑)) 


 しばらく走り、魔王達が管理している範囲から出たエリックは魔力探知を使い周囲の魔物の位置や強さを確認しながら走っていた


 (流石に管理されてないから魔物が一杯だね~これだけ居れば素材には困らないかな?…だけど魔物が強いね~まぁ修行には丁度良いかな?)


 一番近くて魔物が固まってない場所へ向かったエリックは戦い方を考えて居た


 (…取り敢えず、大剣からかな?でもな~ティアみたいに結界を使えないしな~まぁ魔物なら関知されないかな?…試してみますかね~丁度キングオーガが居るしね~)


 エリックは大剣を構えてキングオーガの前に飛び出した

 (行くぞ~)

 エリックは上段から振り下ろしをキングオーガを切り付けてから反射型上出来で角度を変えて他のオーガに斬り掛かったがそれはオーガに避けられた

 (へ~以外に反応が良い個体だね~でも、これなら?)

 有無を言わさず再び振り下ろしたエリックは避けられてもその先に障壁を張り緩急を付けてオーガを追い詰めていた

 (よ、ほ、てい~難しいな~まぁ速さが有れば良いのか?でも制御がな~お?何となくコツが掴めたかな?)

 オーガを大剣の斬撃で次第に追い詰めて行ったエリックは次第に大剣の速さを視認出来ないレベルまで高めてオーガを倒した

 (…ふ~こんな感じかな?おっと、素材が消える前に回収しないとね~)

 ストレージに二体のオーガを仕舞ったエリックは次の獲物を探しにまた走り出した

 (次は~ドラゴン系が良いな~何処かに居ないかな~)



 それからしばらく獲物を狩り続けたエリックは腰を下ろして休憩していた

 (まぁこんな所かな?大分良い感じに成ったと思うんだけどな~ナビ?どうですかね~客観的に見てさ(笑)感想をお願いね~)

 [……先ず、この距離でも通信が出来る上に映像として見れて、ストレージも共有…理解が追い付きません…]

 (まぁそこはね~俺だからとしか言えないしな~気にするなよ~(笑)で?どうですか~?)

 […そうですね、正直な話ですが…ティアさんが使っている障壁や結界の方が完璧なのでそこは負けていますが大剣術として見たら申し分無いと思いますよ?]

 「…やっぱりか~才能の壁はでかいな~まぁ気にしても始まらないし…次は体術かな~」

 大剣を仕舞ったエリックは気を纏わせて走り出し次の獲物を探しに行った


 (…さてと、次の獲物は~お?ドラゴンか~体術だと厳しいな~まぁマーリンみたいに魔法を絡めるかな?)


 ドラゴンの前に飛び出したエリックは両手に気と魔力を纏わせて構えた

 (まぁこんな感じかな?ちょっと制御が難しいけど…まぁ何とかなるかな?)

 両手に気と魔力を纏わせたエリックはドラゴンに向かって体当たりをした

 (…先ずは体当たりからの~ワンツー…蹴りを付けて…難しいな~魔力が安定しない…)

 攻撃を受けたドラゴンは少し怯むも尻尾を振り抜き間合いが離れた瞬間にブレスをエリックに放った

 (…危ないな~尻尾がかすったよ~て、ブレスは不味いかな~?)

 尻尾攻撃をギリギリで避けたエリックはブレスに気が付いて反射型障壁で返してからブレスの影からドラゴンに近付いてマーリンの真似をしてみた

 (…確か手に気を纏わせて…表面に魔力を魔法に変えながら纏わせて…??上手く行かない…どうやるんだ?まぁやってみるか~)

 よく解らないままにドラゴンを殴り付けたエリックは凄い衝撃で右手を吹き飛ばしていた

 (……これでは自爆技だな~右手はまぁ治せるけど時間が掛かるし…今回は倒せたけど倒せなかったら不味いよね~片手が飛んだし…)

 吹き飛んだ右手を治しながらドラゴンの素材を回収し反省するエリック

 (まぁ周りに魔物も居ないし…休みながらダメ出しをするかな?と、言う事で~ナビ?傍目から見てさ~どうだった?)

 [……凄い威力でしたよ?だけど手が一緒に飛んだのはあれですけど……]

 (…そこなんだよな~気で纏ってこれだよ?マーリンは魔力だけで上手くいくとか…天才だよね~…まぁ部位欠損は錬金術と回復魔法で無理やり治せるから良いんだけどね~痛いけど…)

 [それも凄い事ですからね?普通は上位の回復魔法でしか部位欠損は治りませんよ?]

 「まぁティアなら簡単に治せるんだけどね~本当に才能って何なんだろ~ね?」

 […私には解りません…]

 「あ~そうだ!ナビを使えば俺の意識をそっちに送れるかも…試して良い?」

 [私は構いませんが…大丈夫ですか?]

 「まぁ周りを結界で囲って行けば身体は大丈夫だろ?まぁ物は試しと言うしね~」

 […はぁ、まぁ危険が無いので有れば良いですが…]

 「まぁ成るように成るさ~ではでは、やってみよ~(笑)」



 […マスターの好奇心は止められないですね…]

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