第42話 修行開始(ティア)
マーリンと別れた後、ナビの指示に従い大剣術を習いに部屋へ向かったティア
(む~頭では解ってるのですが…迷子に成りそうです…)[…左では無く右に向かって下さい…]
(…はぃ~ごめんなさい…此方ですか?)[…違います、隣の部屋です…大丈夫ですか?]
(……すいません……)
[…予定よりも少し遅れましたが…早速始めますか]
「…ごめんなさい~頭の中で地図を見るのに馴れなくて…でも、始めましょう!先ずは何から始めますか?」
[…では、素振りから始めましょう]
「了解です~…1…2…3…」
[…素振りをしながら聞いて下さいね?大剣を自分の一部の様に気を纏わせる事が出来たら次のステップに進めますので試して下さい]
「…15……うん?気を纏わせる?どうやって?」
[それは…説明が難しいですね…感覚的なので……上手く行くか解りませんが、トレーニングが捗るように用意した物が備品室に有りますので使って見て下さい]
「備品室?……此方?」出口の方に歩くティア
[…違います、反対です…そうです、その部屋です]
ナビに指摘されて直ぐに方向転換して小走りで備品室に向かったティアは少し照れながら部屋に入った
(…む~どうしても方向が解らなく成ります…エリックさんに呆れられる前に治さないと……お?これかな?)
ティアは目の前に飾られた大剣を見付けて近付いてみた
「…へ?これって…!?何で此処に有るの?無くなったのに…」
[残念ですがホンモノでは無いですよ?練習用にマスターにお願いして創ってもらった攻撃力ほぼゼロの封印剣です、ちなみに試練の塔にはちゃんと使えるようになってるレプリカが用意されていますので]
「…それでも手触りや重さも同じ…あ、刃が潰れてる…でも見た目も変わらないエリックさんの剣だ~使って練習しても良いの?」
[はい、貴女の為に用意した物ですので…逆に貴女が使わないと誰も使わないと思いますよ?]
「……えへ(笑)ではでは有り難く使わせて貰いますね(笑)」
[では、先程も御伝えしましたが大剣との一体化を試して下さい…イメージが大事です]
「…はい!」(この剣と一体化…一体化…同化…エリックさんの剣と同化………は!?エリックさんの剣と同化と言う事はですよ?大きく見るとエリックさんと同化と言っても過言では無い!!……キャー!!考えただけで恥ずか嬉しいです~~)
ティアは顔を赤くしながら大剣を振り回していた…自分が気を纏わせてるとも気が付かないで…
[……まぁ、本人が良いのであれば良いのですが…マスターと同化は過言ですよ…聞いていないですね…]
(…は!?いけない、素振りをしながら同化の練習をしなくてはでした……あれ?大剣ってこんなに軽かったでしたっけ??これならまだまだ素振りを出来ますね(笑)流石エリックさんの剣ですね(笑))
[…落ち着きましたか?今、貴女が纏っているものが気です、使い方を身体で覚える為にも次はオンオフを練習してみて下さい]
「…へ?今私は出来てるのですか?言われてみたら身体が何かで覆われていますね…手から大剣に伝わっていますし…これが気ですか~オフ?こうですか?……大剣がいきなり重く成りましたよ~で、オン?難しいですが……軽く成りましたしこれで良いのですか?」
[はい、問題無く発動しています、オンオフを練習しながら素振りをして下さい]
「はい!了解です~頑張ります!」
黙々と気を纏わせながらの素振りを続け気の切換もスムーズに出来るようになったティアは次のメニューに進むかナビと相談していた
「…次はどうします?」
[…予定よりも速く気をマスターしましたので、判断が難しいですが…選択肢としてはこのまま素振りか結界や障壁を使っての大剣術の習得か攻性魔法の習得のどれかだと思います]
「…三つも選択肢が有るのですか~やる事は一杯ですね(笑)ナビのオススメはどれですか?」
[…私は貴女の得意な結界を応用して出来る大剣術がオススメですが気晴らしに攻性魔法も良いと思いますよ?]
「…そうですか~悩みますね~…ではでは、最初にオススメして頂いた結界の方をやりますか(笑)どうせ全部を習うのですから(笑)」
[…了解しました、では…説明させて頂きますが、マスターがゴーレムとの対戦で使用した大剣術ですが完成では無いそうです…]
「へ!?あれで??」
[はい、ですがマスターは完成形を構築済みですのでマスターの言葉と共にお伝えします…よろしいですか?]
「?マスターってエリックさんですよね?言葉??」
[では、再生します「…ティア?このメッセージを聞いてると言う事は気を使える様に成ったんだな?おめでとう~頑張ったな、大変だったろ?でも此処からも大変だから頑張れよ?ナビから聞いたと思うけど、俺だと上手く出来なかった技をティアに完成させて欲しい…まぁ無理強いはしないから話を聞いて決めてくれよ?」話を続けますか?]
「お願いします!」
[では、続きを…「先ず、この間見せた技だけど~あれだと反発は出来るけど無駄が多いし相手に気付かれるから避けられる可能性が高い…そこで、出来れば結界や障壁は最小限に作って身体の力を抜いて、遠心力を使って速さに特化した剣術が本来の完成形だ…まぁ俺には無理だったけどな~もし、完成したら見せてね?ではでは頑張ってね~」メッセージは以上です]
「…はぁ~エリックさんに頼りにされた…頑張らなきゃ!今から頑張ります!…ナビさん?何からやれば良いですか?」大剣を構えて固まったティアはナビに練習方向転換を確認した
[…やる気なのは良いのですが、落ち着いて下さい、練習の仕方としては結界を大剣の振り切った先に当てる所からでは?その後に反射を使うのが良いかと…]
「…大剣の先に結界…やってみます!」
大剣の素振りを始めたティアは大剣を振り切る少し手前に結界を張りながら少しずつ結界を最適化し始めた
「…ふ!…ふ!…ふ!……難しいです…」
[…かなり出来てると思いますが?]
「…ふ!…いえ…これ位ならエリックさんも出来ます!…まだまだです…先ずは結界の最適化…次は反射や応用…まだまだです…」
[……そうですか…では、頑張って下さい…]
「…頑張りますよ~」
しばらく練習をしたティアはナビの目から見ても結界が見えない位に成っていた
[…ティアさん?まだ最適化は出来ていないのですか?私にはすでに見えないのですが…]
「…いえ…もう少しかなっと思います…感覚的ですがまだ行けるような気がするので…」
[…そうですか…もう、私には解りませんが…これが才能の違いですか…マスターが羨む気持ちが解った気がします…]
「…もう少し…もう少し…」
[…練習中に済みませんが、そろそろ食事の時間にしてはどうですか?気を練れなく成って来てますし…休憩も大事ですよ?]
「……そうですね~ご飯にしますか~(笑)ではでは、折角だからマーリンさんにも連絡して下さい(笑)さあ!食堂へ行きましょう!」
素振りを止めたティアは意気揚々と食堂へ向かって行った
[…了解しました、マーリンさんへは連絡しました……違います右へ向かって下さい…]
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