第41話 修行開始

 ゴーレムとのデモンストレーションを終わらせたエリックは周りを見渡し今後の流れを確認した


 「さてと、マーリン達はこの後どうする?」

 「…私は勉強して来ます…少しの間ですが施設に籠らせて貰いますね?」(本当はエリックさんとゆっくりしたいのですが、あれだけの実力差を見せられたら…頑張らないと)


 「了解~ティアはどうする?」

「…私もこの後は施設を使って鍛えて来ますね?エリックさんには少し寂しい思いをさせるかもですが…頑張って来ます!」


 「俺の事は気にするなよ~寂しかったら俺も見に行くし(笑)で?魔王達はどうする?」

 「…ワシらは一旦帰るぞ、住民の安全とかを確認したいし他の魔王達にも連絡しないとだからの~」

 「そっか~まぁその辺は任せるぞ?」

 「ちなみに…後何人位施設を使えるのか聞いても良いか?」

 「うん?まぁ今の時点で五人だから…後九十四人だな~ナビの関係で今の所それが限界かな?」

 「九十四人か…その辺もワシらが勝手にやっても良いのか?」

 「まぁ問題は無いよ?ただ、それ以上はナビが用意出来ないからもし教えたいなら自分達で教えてね?ナビは全部使っても良いからさ(笑)」

 「…解った、こっちで選出させて貰うぞ?」

 「任せた(笑)まぁもし何か有ったらナビに相談して?俺は適当にブラブラだらけてるからさ(笑)ほら残りのナビとタグ渡すよ~」

 「へ?良いのか?まぁ預かるけど…」

 「良いよ(笑)だけど高価な物だから無くすなよ?今の所これ以上用意は出来ないからな?」

 「…解ったのじゃ…大事に管理させて貰うぞ…」


 「さぁ今後の方向性も決まった事だし~解散で(笑)まぁ皆頑張ってね~ではでは~」エリックは皆に声を掛けてから自分のドームへと向かった


 「…さて、私は施設に入るわね?じゃあ強欲も頑張ってね?」(取り敢えず施設でナビと相談して…基礎トレーニングと体術…魔法の平行使用…やる事が多いけど頑張らないと…)

 「マーリンさん~私も一緒に行きますよ~置いてかないで~」ティアが走って付いて来た

 「私達は~準備してから施設を利用しますね~マーリンさん、また後で~」

 「先に鍛えて待ってるわ」手を振るマーリン達


 エリックや魔王達と別れたマーリンとティアは施設に入り各々ナビに相談した

 「…じゃあティアも頑張ってね?」

 「はい!マーリンさんも頑張って下さいね?でも同じ部屋なら一緒に頑張りましょうね?」

 「そうね(笑)お互いに助け合わないとね?そうだ、だったらご飯の時間は合わせましょうか?」

 「そうですね~そうしましょう(笑)ナビさん?調整をお願い出来ますか?……ありがとうございます~マーリンさん、ナビさんが良いですよですって(笑)ではでは頑張りますか~」

 「…そうね、頑張らないとね…」(ナビをかなり使い込んでるわね…私も負けてられないわね…ナビ?この後のトレーニングの調整をお願い出来るかしら?)

 […了解致しました、オススメは体術か平行思考の授業ですがどうしますか?]

 (…そうね~ゴーレムにも言われたし、体術から習得しようかしら…動けなくなったら平行思考の方へ移動するわ)

 […了解です、では此方へお願いします]頭の中に施設の地図が流れ目的地が理解出来た

 (相変わらず便利ね~これで誰も迷子には成らないわね)

 「さて、ティアは決まったかしら?」

 「…はい、決まりました(笑)私は大剣術を習いに行きます~その後は攻撃魔法の講習です~」

 「あら?ティアが攻撃魔法?珍しい組み合わせね?私は体術と平行思考の講習よ?じゃあまた後でね?」

 「はい~お互いに頑張りましょう~」


 入り口付近で今後の流れを決めたマーリンとティアはお互いに声を掛けてから自分達のトレーニング部屋へ向かった


 「さて、やるわよ?何から始めるのかしら?」

 [先ずは気の扱いをマスターして頂きます]

 「気の扱いをって簡単に言うわね…まぁ良いわ、どうすれば良いの?」

 [では、身体の中に有る魔力以外の物を感じる所からお願いします]

 「……魔力以外の物?……解らないわ…コツとかは?」

 [そうですね…瞑想をしたり魔力を体外に全て出したりと色々有ります…他にも命の危険から目覚めるパターンも有りますね、どうしますか?]

 「…そうね~瞑想をしながら魔力を空にするところから始めてみるわ、アドバイスありがとうね?ナビ」

 [魔力を空にするのは危険も伴いますので、ポーションを側に置くのをお忘れなく…]

 「了解よ?もし何か有ったら助けてね?」

 [善処します]

 

 ナビの指示を受けたマーリンは瞑想を始めた

 (身体の中に有る何か…魔力しか解らないわ…なら理解出来てる魔力を体外に出して……難しいわね)

 身体から魔力を徐々に放出するマーリンは困惑していた

 (魔力が減れば減るほど空になる…魔力以外の物?何か有るかしら?)

 更に集中力を高めるマーリン

 (……解らないわ…もう、殆んど身体から魔力が出たし…??魔力が出た??まだ残ってる物の中に動かない物が??もう少し動かせる物を出して…)

 極限まで集中力を高めるマーリンは身体から全ての魔力を出し切った

 (……これで全部よ……後は動かせない何かだけ…この動かせない物を一度出した魔力で無理矢理動かせば……動いた!)

 [これ以上は命に関わりますので、ポーションをお飲み下さい]

 「……解ったわ…声掛けありがとう…」


 ポーションを飲み干し、一息付いたマーリンは今出来た感覚を確認していた

 「…ふ~美味しいわね…ナビ?今ね、少しだけど魔力以外の物を動かせたの…ナビから見てどうだったかしら?」

 […はい、確かに気の動きを確認出来ましたが、今も動かせますか?]

 「………駄目ね、魔力が邪魔をしてるわ…これは長く成りそうね…」

 [初回の講習としては上出来だと思いますよ]

 「あら?ありがとう、お世辞でも嬉しいわ」


 しばらく瞑想を続けたマーリンにナビからお知らせが入った


 […ティアさんが食堂で貴女を待っていますが、一度休憩にしますか?]


 「…そうね、休憩にして次は基礎鍛練かしら?平行思考でも良いのだけど…ナビはどっちがオススメかしら」

 [次は平行思考の方が高効率でよろしいかと思います]

 「なら次は平行思考の講習でお願いね?今はティアの所に行くわ」

 [了解です、食堂は此方です]


 マーリンは軽く汗を拭いてから食堂の有る場所へ向かった


 「…ティアは何処までやってるかしらね~私は初歩の初歩だから少し確認するのが怖いわね…何だかんだあの子は天才だから…」

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