第40話 錬金術師エリックの実力
何故かやる事に成ったゴーレムとのデモンストレーションで意気揚々と準備するゴーレムに対してヤル気の出ないエリックだった
「…本当にやるの?正直引き分けか俺の苦勝だよ?やっても意味ないんじゃ…」
「なら、俺達のスピードを下げるか?それなら皆も勉強に成るだろ?」
「…まぁそれなら良いかな?…ナビ?この部屋の時間を調整して…そうだな~半分位かな?お願い出来る?」
[畏まりました、この部屋の時間を調整します]
「…あと、俺達の戦いを皆に解説してね?頼んだよ~」
[了解致しました、戦闘の解説並びに記録の保存、可能な限りやらせていただきます]
「こんなかな?じゃあ始めるか(笑)」
「…は~仕方がないな~まぁやるからには本気で行くぞ?」
一通り環境の調整を終わらしたエリックは渋々ながらゴーレムの方へ向かった
(…どうなるのかしら…今のエリックさんの実力…)
[これからマスターが戦いますが、皆様のような実力不足の方々は観ても解らない…そもそも、目で追えない可能性すら在りますので、此処からは私ナビが説明させて頂きます]
ナビが結界の中に居る全員に聴こえるように説明した
[さらに、マスターのご好意でマスター達の時間を遅らせておりますのでさらに見易いと思います…もしこれでも駄目なら鍛練に精を出して下さい]
「…了解よ、ちなみに戦闘データを残せるのかしら?」
[…可能です…言われずとも収録する予定ですが…]
「…後で貰えるかしら…」
[…個別のナビに頼んで頂ければ可能です]
「…了解、後で交渉するわ」
[…では、これよりマスターによるゴーレムとの戦闘を開始します]
(…始まるのね…そう言えばエリックさんが戦う所は見た事が無いわね…楽しみだわ)
互いに向かい合っていたエリックとゴーレムはお互いに先制の魔法を繰り出した
[先に動いたのはマスターで火球×二十で、内容は魔力小が十、大が八、特大が二です…対するゴーレムは水球で相殺、内容は魔力中が十八、特大が二です…ゴーレムの水球が二つ残りマスターへ向かいましたがマスターは瞬動でゴーレムの背後に周り手に出した大剣で振り下ろし…ゴーレムは振り下ろしに対して出した双剣で後ろを見ずに受け止めてからの右手で水平回し切り…マスターはバックステップで避けて炎の竜を二対射出、ゴーレムは目の前に土の壁を出して回避しマスターの背後へ瞬動からの右回し切り、マスターは魔法障壁で防ぎ下からの切り上げ、その隙を狙いゴーレムが紙一重で避け左手で切り上げたがマスターが大剣を障壁に当てて軌道変更、慌てたゴーレムが雷撃を放ちバックステップ]
「…待て待て、これで時間が半分?普通のスピードなら訳が解らないよ…今のスピードでも解らないのに…」
(…まぁ怠慢の言いたい事は解るわ…でも…いつかは私もこのレベルまで…)
[質問は後程個別にナビへお願いします]
[仕切り直したマスターはゴーレムへ魔法を放ちながら大剣で斬り掛かった…魔法の内訳は火球大が二つ土球が二つ雷の竜が三対…ゴーレムは球体の魔法を障壁で防いで雷の竜を双剣で斬り伏せて反撃の水龍極大を一対放ちながら瞬動でマスターの背後へ周り双剣で斬撃波付の攻撃、即気が付いたマスターは斬撃波の射線から抜けるように避けて反撃の切り落とし、ゴーレムは辛うじて避けて魔法を放とうとした所マスターは反射式障壁を切り落としの先へ準備し、それを使って一気に切り上げへ変更…ゴーレムは障壁と双剣で防ぎながら衝撃を後ろに飛んで軽減、飛ばされながら氷の竜で反撃、マスターは大剣で魔法を斬り壊し瞬動を発動しようとしたが足元から氷が登って来て一瞬動けずその隙にゴーレムは体勢を立て直しながら瞬動でマスターの方へ移動…]
エリックとゴーレムは互いに剣を首に当てて止まっていた
[…今回の勝者はマスターです!おめでとうございます…]
「待て待て、流石に贔屓だろ~どう観ても相討ちだったろ?」ゴーレムがナビへクレームを言った
[…魔法の残量と僅かにマスターの方が先に剣を当てて居ましたので…]
「まぁまぁ、ナビはナビだから公平だろ?それは同じ俺なら解るだろ?」
「…まぁ、そうだな…疑って悪かったなナビ?」
[いえ問題ありません、実際にギリギリの結果でしたので…]
呆然としていた他の人達が我に返りエリックの元へ向かった
「…エリック?あんなに強かったの?」
「うん?まぁあれ位は出来ないとね?皆に指導とか出来ないだろ?因みに魔法ならマーリンだし結界系ならティアだし剣術なら剣聖のダンブだしまぁ上には上が居るよ?」
[マスターは錬金術を使ってないので…まだ本気とは…]
「ナビ?余計な事は言わなくて良いよ~?」
[…申し訳ございません…]
「!?そうだな、何で錬金術を使わなかった?」
「何でって言われてもな~ゴーレム相手に錬金術を使ったらさ…駄目だろ?試練に成らないし、見本に成らないだろ?一応は現在の時点で皆が理解出来ればやれる事で戦ったからさ(笑)因みにゴーレムも合わせてくれてるからね?」
「まぁね~でも俺はかなり本気だったぞ?それはお前もだろ?」
「まぁ錬金術を使ってないだけかな?いや~久しぶりに本気を出したね(笑)」
「…そろそろ、俺は休眠状態に入るぞ?まぁ皆が此処にたどり着く頃には元通りにしとくからさ(笑)まぁその時はよろしくな~楽しみにしてるよ~」
手を振りながら王座に戻ったゴーレムを皆が見送り場を静寂が支配した
「…?帰らないの?」
「…いえ、帰ります…少し余韻に浸っていました…」(凄かったな~強さもそうだけど…格好良かったな~)[その意見には同意します]
(…後で今回の戦闘データを見せてね?)
[…了解です…]
「さぁ~帰るよ~まぁ各々やるべき事が見えたかな?皆頑張ってよ~?」一通り周りを片付けたエリックは皆に声を掛けてから扉から出て行った
「待って下さいよ~エリックさん~」慌てて追い掛けるティアに付いて魔王達も扉から出て行った
「…ねえ?ゴーレム?まだ起きてる?」
「……どうした?マーリン?」
「一つ質問を良いかしら?」
「?本体じゃ駄目なのか?わざわざ俺に質問?まぁ答えれる範囲で答えるよ?」
「なら一つだけ…エリックさんに今の私は何でも有で勝てる?もし勝つにはどうすれば良い?率直に教えて?」
「そうだな~どんな手を使っても今のままなら勝てないかな~?勝つにはかい?それならほら、最後に使った技を極めれば…まぁ魔法でも行けると思うし~後はナビに相談しなよ(笑)」
「…まぁ勝てないわよね…相談はナビにか…相談してみるわ、答えてくれてありがとう次に来る時は勝つからね?」
「おう!期待してるよ(笑)じゃあまたね~」
ゴーレムを残してその場を後にしたマーリンは頭の中で今後の課題を描いていた
「…折角の施設だから利用しないとね…」
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